これまでご紹介した様々な種類のインフルエンサーは、すべて「ヒト」でした。
しかし、インフルエンサーと呼ばれるのは、必ずしも人間に限ったことではありません。
動物たちにもインフルエンサーが存在します。
今回の記事では、そんな動物のインフルエンサーである「ペットインフルエンサー」について解説していくと同時に、ペットインフルエンサー×インフルエンサーマーケティングについても詳しく紐解いていきます。
目次
ペットインフルエンサーとは?

ペットインフルエンサーとは、その言葉通りでSNS上で大きな影響力を持つペットとして飼われている動物のことを指します。
ペットインフルエンサーには犬や猫などのペットの定番ともいえる動物だけでなく、エキゾチックアニマルと呼ばれるハムスターやウサギなども存在し、多種多様なペットインフルエンサーが活躍しています。
最も人気のあるペットインフルエンサーには何百万人ものフォロワーがおり、ソーシャルメディアでの注目度は非常に高いです。最近では、企業が行うキャンペーンへの起用のみならず、テレビ出演やアーティストのミュージックビデオなどに出演することもあります。
インフルエンサー業界が拡大するにつれ、ペットインフルエンサーへの注目度も益々上がってきています。
ペットインフルエンサーを活用するべき3つの理由

次に、ペットインフルエンサーをなぜマーケティング戦略の一環として活用するのか、その3つの理由を見ていきましょう。
①動物は癒しの象徴
まず挙げられるのは、動物が人の中にあるネガティブな感情を引き起こさないことです。
ペットをキャンペーンに起用することで、商品についてポジティブな感情を持たせてくれます。この感情的な要因が購入を決定する最も重要な要因の一つであり、積極的な購入決定に影響を与えます。
こうした感情によって購買意欲を仰ぐようなマーケティングはエモーショナルマーケティングと呼ばれ、これによって潜在的な顧客との関係を築きやすくすることができるのです。
②ペットの高いエンゲージメント率
ペットインフルエンサーは人間のインフルエンサーと比べたとき、同じフォロワー数でもより高いエンゲージメント率を獲得することができるといわれています。
その理由としては、単純に動物を可愛いと思う感情に起因することもありますが、人間の赤ちゃんのような特徴を持つ生き物に対して人間は本能的に好感を持つという科学的な理由もあります。
③口コミマーケティング
ペットインフルエンサーのエンゲージメント率が高いため、より簡単に口コミマーケティングを行うことができます。
口コミは従来の広告よりも意思決定プロセスにおいて強い影響力を持っているため、重要なマーケティングツールとなっています。
そして、口コミマーケティングは消費者の間のコミュニケーションに積極的かつ意図的に影響を与える方法です。これを行うためには、企業の広告やプロモーション活動を影響力があるオピニオンリーダーを直接ターゲットにして行うことが不可欠です。
そのオピニオンリーダーとしてペットインフルエンサーは最適であり、プラットフォームを使用してマーケティングメッセージを共有し、容易に口コミを広めることができます。
ペットインフルエンサーと共にマーケティングをするには

ペットインフルエンサーを活用してインフルエンサーマーケティングを行おうとしている企業は、普段より共に仕事をすることはないであろう動物を相手にすることになります。そのため、生じうるトラブルや注意点を事前に把握しておくことが大切です。
①ペットインフルエンサーとのパートナー契約
理想の人間のインフルエンサーを探す際に注意することは既に他の記事でご紹介しましたが、動物の場合も同様で、キャンペーン主は契約を考えているペットインフルエンサーについて詳しく見る必要があります。
(参考:インフルエンサーの探し方と留意すべきこと)
オリジナルのコンテンツを作っているのか。投稿に対して高いエンゲージメントがあるのか。こういった点をパートナー契約前にはっきりさせておくことで、後述するペットインフルエンサーのブランド力を測ることができます。そのブランド力が高ければ高いほど、キャンペーン主は高い費用対効果を期待できます。
ペットインフルエンサーが人間のインフルエンサーと異なる点は、表には立たない飼い主が存在するということです。つまり、飼い主の信憑性を判断することが極めて重要となってきます。多くのペットインフルエンサーの飼い主は、ただ単にペットを可愛がっているだけですが、中には一線を越えてしまう人もいます。
そのため、広告主はペットインフルエンサーの影響力の背後にある本当の動機を見つけなければならず、ペットインフルエンサーの飼い主をきちんと精査することが大切なのです。
②多様性と一貫性
人間のインフルエンサーに様々な種類の専門分野があるように、動物にも何かに特化して(時にはニッチな)活動するペットインフルエンサーがいます。
アウトドア、フードブログ、ファッションなど、動物にも多様な分野があるため、沢山のペットインフルエンサーがインフルエンサーマーケティング業界で活躍することができているのです。
ペットインフルエンサーによっては投稿内容が多様性に富んでいる場合と一貫性がある場合があります。つまり、アウトドア、フードブログ、ファッションなど幅広いジャンルを網羅して投稿している場合もあれば、アウトドアのみをより詳しく投稿を行っている場合もあります。
有意義なパートナーシップを築くために大事なのは、自身のキャンペーンがどちらのタイプのペットインフルエンサーを求めているかを見極めることです。
ペットインフルエンサーを生み出すには

ここで少し、キャンペーンを行う企業側ではなく、自身のペットをインフルエンサーにさせたい人の立場に代わってお話しします。
多くのエンゲージメントを獲得できるようなペットインフルエンサーは、ただ映えているペットの写真をSNS上に上げているだけではありません。ペットには一定以上のブランド力が必要です。
というのも、人間のインフルエンサーのようにペットインフルエンサーはオーディエンス(フォロワー)から信頼されており、またリスペクトされています。
もちろん動物はソーシャルメディアを使うことは出来ませんが、飼い主はペットのプロフィールを作成するだけでなく、インスタグラムのキャプション(投稿した画像についての補足情報)などを駆使して、ペットの個性も作り上げるのです。
こうしてブランド力が認められたペットが様々な企業の注目を浴び、キャンペーンに起用されたりすることで、ペットインフルエンサーとしての知名度や影響力を培っていくのです。
ペットインフルエンサーとのタイアップ例

最後に、ペットインフルエンサーと企業の提携例をご紹介します。
メルセデス・ベンツ×ペットインフルエンサー
高級自動車メーカー「メルセデス・ベンツ」は、自社のSUVをインスタグラム上で宣伝するために、ペットインフルエンサーである狼犬の「ロキ」を起用しました。

この画像内のSUVは降雪路を走行できることができ、その特徴を踏まえて降雪地帯に生息する狼犬がこのキャンペーンでは起用されました。
また、メルセデスが行った調査によると、多くのメルセデスのSUV所有者がペットを飼っていることが分かり、その事実も踏まえて今回の起用に走りました。このことで、既存顧客と新規顧客にアプローチすることができたのです。
まとめ

今回の記事では、話題沸騰中のペットインフルエンサーについて取り上げました。
彼らが持つ特徴はインフルエンサーマーケティングに新しい風を吹かせており、キャンペーンへの起用の幅もさらに広がってきているため、ますます目が離せないマーケティング市場となっています。
人間だけにこだわるのではなく、少し意外な発想をして可愛らしい動物を企業のキャンペーンに起用してみてはいかがでしょうか?
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