海外ECサイトを使って商品・サービスを販売したいと思っても、どこの国のECサイトを使うべきか分からないという方も多いと思います。
この記事では、海外ECサイトの必要性やおすすめのECサイトをまとめました。記事を読めば、きっと自社で海外ECサイトに出店するビジョンが見えてきます。
目次
海外(越境)ECサイトとは?なぜ必要?

海外ECサイトとは、海外のユーザーに向けてオンラインで商品やサービスを販売するECサイトのことです。有名なECサイトだとアメリカの「Amazon」などがあります。
近年、スマホの普及も影響し、世界中の人々がインターネットを利用するようになったことにより、海外ECサイトの需要が高まっています。
その理由は、海外ECサイトを使えば、海外に拠点を持たない企業でも海外のユーザーに商品・サービスを販売できるため、結果として売上を伸ばすことが可能だからです。
海外(越境)ECサイトの市場規模

ECサイトの市場規模は、年々拡大しています。経済産業省が発表した「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」によると、国内のBtoCのEC市場は以下のように変化しています。
分野 | 2020年 | 2021年 | 伸長率 |
物販系分野 | 12兆2,333億円 | 13兆2,865億円 | 8.61% |
サービス系分野 | 4兆5,832億円 | 4兆6,424億円 | 1.29% |
デジタル系分野 | 2兆4,614億円 | 2兆7,661億円 | 12.38% |
引用:経済産業省「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」
また、世界のBtoCのEC市場では、2021年の市場規模が4.92兆USドルと推計されており、新型コロナウイルスがEC需要拡大につながったと見られています。
さらに、2025年には市場規模が7.39兆USドルにまで拡大すると予想されており、国内外のECサイトは今後も市場規模が拡大していくことが期待されています。
海外(越境)ECサイトに出店するメリット

海外(越境)ECサイトに出店するメリットは、何といっても海外の顧客を獲得できることです。
国内のみで商品・サービスの販売を行ったとしても、販売対象となる消費者の数には上限があります。
そこで、海外ECサイトに出店することで、対象となる消費者を格段に広げ、より多くの売上を挙げることに繋がります。
また、国内では売れない商品・サービスでも、海外であれば売れるといったケースもあります。
このような新しい販売先を見つけるという点においても、海外ECサイトに出店することには大きなアドバンテージがあります。
海外(越境)ECサイトに出店する上での課題

海外ECサイトに出店する際には、日本国内の出店との違いを理解しておきましょう。
事前に知っておかなければ後々トラブルになるため、この章では海外ECサイトに出店する際にクリアしておきたい課題を解説します。
販売戦略を変更する必要性
海外ECサイトでは、各国によって商品の価格や配送方法、返品ポリシーなどが変わるため、日本国内のECサイトとは違った販売戦略が必要になります。
そのため、海外顧客に合わせた販売戦略を検討する必要があるでしょう。
言語や文化の違い
無論、言語や文化の違いも課題の1つです。海外ECサイトに出店する際には正確な翻訳が必要ですが、文化の違いによって伝わり方が変わる点に注意しましょう。
翻訳代行サービスなどの活用も視野に入れながら、出店する国に合わせた言語設定や、海外顧客に合わせた商品説明の作成が必要です。
国際的な法的問題
海外ECサイトでは、各国の法律も課題になります。知的財産権や消費者保護などは国によって法律が異なり、それらを遵守する必要があるからです。
知的財産権は、自社の商標や著作物が他者に無断で使用された場合、現地の法律や手続きを把握していないと手続きが難しくなります。
消費者保護も同じく、商品の品質や表示、個人情報の取り扱いなど、国による違いを把握しておきましょう。
配送や関税の問題
海外ECサイト出店には、配送や関税の問題も関わります。海外への商品配送や関税の支払い、輸出入の規制など、国際的な輸送ルールや関税法規制に従う必要があるからです。
海外への販売では、各国が定める輸出許可証の取得が必要になり、たとえばアメリカで食料品や化粧品を販売するなら、FDA登録が必要です。
【国別】おすすめの海外(越境)ECサイト

海外ECサイトに出店する際の課題をクリアしたら、次はどこの海外ECサイトに出店するのかを決めましょう。
国別におすすめの海外ECサイトをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
中国
アリババ
「アリババ」は、BtoBのECとして世界トップクラスのシェアを獲得しており、中国のEC市場では、もっとも大きな存在感を持っています。
品ぞろえが豊富なうえ、価格が安いことが特徴です。
Tmall
「Tmall」は、アリババグループのBtoC向けECサイトで、国内シェア率は50%超えです。
日本企業では、ユニクロ、無印良品、資生堂、ニトリなどの大手企業が出店しています。
ユーザーに「本物」を提供することをポリシーとしているため、出店の基準が少し厳しいのが特徴です。
京東商城
「京東商城」は、中国のECモールで第2位の規模を持つ直販型ECであり、PC・周辺機器、家電などの販売に強いのが特徴です。
独自の物流ネットワークを中国全土に持っているため、スピーディーな配送を可能にしています。
さらに、ヤマトグローバルロジスティクスジャパンとの提携により、日本からの出店や注文への対応もスムーズな点は魅力的です。
アメリカ
Amazon
「Amazon」は、世界トップクラスのECサイトで、2021年に全世界の有料会員数が2億人を突破したと公表しています。
日本国内では「楽天」とトップを争うECサイトであり、アメリカ国内ではシェア率38.7%と圧倒的です。
eBay
「eBay」は、アメリカでシェア率4.7%のECサイトです。
Amazonのシェア率が圧倒的なためシェア率が低く見えますが、アメリカでは3番目の数値であり、世界各国に展開している大手ECサイトです。
審査が厳しいため、出店が難しいECサイトでもあります。
Walmart
「Walmart」は、アメリカでシェア率5.3%のECサイトです。
取り扱っている商品は幅広く、衣料品、家電製品、日用品、食品などのほか、アメリカ国内で人気のブランドや、独自のプライベートブランド商品も多数販売しています。
韓国
Coupang
「Coupang」は、約1億2,000万種類以上の商品を販売している大手ECサイトです。
大きな特徴として「ロケット配送」といわれるサービスがあります。ロケット配送とは、注文した商品が翌日には受け取ることができるサービスであり、日用品の大半をロケット配送してもらうことが可能です。
Gmarket
「Gmarket」は、韓国最大のECサイトです。化粧品・ファッションなど、さまざまな商品を取り扱っています。
世界中の人々が利用しているため、ECサイトは韓国語のほか、英語・中国語での利用も可能です。ただ、審査が厳しいため、出店のハードルは高めである点に注意が必要です。
11STREET
「11STREET」は、4,800万もの商品を販売するECサイトです。
26万の販売事業者が参画し、会員数は2,340万人、年間流通総額は60億ドルにもなります。
取り扱いジャンルは、食品、美容、旅行、ファッション、家電など、幅広く用意されています。
イギリス
ASOS
「ASOS」は、ヨーロッパやアメリカ・オーストラリアなど、世界200か国以上に商品を出荷しているECサイトです。
ASOSとしてのブランドも立ち上げており、英国王室キャサリン妃も同ブランドをの製品を愛用していることが話題になりました。「映画やテレビでセレブが着ていた洋服や小物が買える」をコンセプトにしています。
ドイツ
Zalando
「Zalando」は、ドイツの大手ファッションサイトです。最大の特徴は、100日間の返品サービスを提供しており、商品の返品や交換が可能なことにあります。
また、環境保護の取り組みに力を入れているため、2023年以降はエコブランドしか取り扱わない決定をしており、エコな素材を活用した商材を扱う企業にはぴったりのECサイトです。
フランス
Cdiscount
「Cdiscount」は、フランスが起源のECサイトとしては最大手です。
約12,000社の企業が参加し、ファッション、美容、家電、ワインなど、さまざまな商品を販売しています。
商品の販売に加えて、中古品の修理や診断サービスを提供していることも特徴として挙げられます。
カナダ
Best Buy Canada
「Best Buy Canada」は、カナダ最大級のECサイトです。
取り扱いジャンルは、家電製品、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、家具、食品など、家電を中心にさまざまな商品を扱っています。
国内約200店舗のBest Buy、Best Buy Mobileを含めると、年間2億8,000万件以上のサイト訪問があり、より多くの消費者へ訴求するには良いECサイトであるといえます。
オーストラリア
The Iconic
「The Iconic」は、オーストラリアのテレビCMなどでお馴染みのファッションサイトです。
ブランドは700以上、約2万点の商品を取り揃えており、取り扱いジャンルは、ファッション、靴、スポーツウェア、パジャマ、アクセサリーなど、手頃な価格のものから海外ブランドまで多数あります。
インド
Flipkart
「Flipkart」は、インドでAmazonと2強のECモールといわれています。
インドのECサイト市場では、Flipkartが約4割を占めており、登録ユーザー数は3億5,000万人以上です。
取り扱い商品は80カテゴリー、1億5,000万点以上もあります。
【まとめ】海外(越境)ECサイトについて

海外ECサイトは、今後も市場規模が拡大する見込みのため、まだまだチャンスの多い市場です。海外ECサイトを使えば、海外顧客の獲得や売上増加が期待できます。
日本のECサイトとの違いに注意しながら、自社での出店を検討してみてください。
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