最近、音声SNSという言葉をよく耳にするようになりました。
音声SNSとは、ユーザーが音声を投稿し、他のユーザーがその投稿に対してコメントやいいねをすることができるSNSのことです。
今回は、音声SNSについて、その機能、現在の利用状況、メリット、デメリット、マーケティングの可能性、そして今後注目すべきアプリについて解説していきます。
目次
音声SNSとは？どういった機能がある？
音声SNSとは、テキストや写真、動画と同じようにSNSの一種であり、投稿するのは音声であるという点が異なっています。
これにより、ユーザーは手軽に自分の声を発信することができるとともに、他の人たちからも興味深い話を聞くことができます。
音声SNSには、以下のような機能があります。
- 音声の録音、投稿：ユーザーは自分の声を録音して投稿することができ、これにより、ユーザーは自分の声を通じて、自己表現することができます。
- コメント、いいね機能：他のユーザーの投稿に対して、コメントやいいねをすることができるため、ユーザー同士の交流が可能となります。
- フォロー、フォロワー機能：ユーザー同士がお互いをフォローし合うことができ、自分が興味のある人たちをフォローしてその人たちの投稿を聞くことができます。
近年では、SNSなどのインターネットを通じたコミュニケーションが一般的になり、多くの人々がオンライン上で交流を楽しんでいます。
しかし、一方で「リアルなコミュニケーションが減っている」という声も少なくありません。このような声が上がる背景には、様々な社会の変化が関係しています。
まず一つ目は、働き方の変化です。近年では、テレワークやフレックスタイムなど、時間や場所に縛られない働き方が広まっています。
その一方で、オフィスでのコミュニケーションが減り、仕事とプライベートの区別が曖昧になっていることも事実です。
また、SNS上でのコミュニケーションでは、リアルな場でのコミュニケーションに比べて、相手の表情や声のトーン、雰囲気などが伝わりにくいという問題があります。
特にビジネスシーンでは、リアルなコミュニケーションが求められる場面も多くあります。
こうした社会の変化がある中で、音声SNSが注目を集めたのは、まさに「リアルなコミュニケーション」をオンライン上で実現することができるからだと言えます。
オンライン上でのコミュニケーションが増えた今だからこそ、よりリアルなコミュニケーションを求める人々が増え、音声SNSが注目されたと言えます。
現在の音声SNSの利用状況と今後の展望
音声SNSは、まだまだ新しい分野であり、利用者数は少ないものの、徐々に注目を集めています。
2021年2月時点のClubhouseのダウンロード数は、全世界で1,000万回を超え、日本でも利用者が急増しています。
また、TwitterのSpacesも提供開始からわずか数か月で、多くのユーザーに利用されています。
今後の展望としては、音声SNSがますます普及し、他のSNSと同じように一般的なコミュニケーションツールとなることが予想されます。
テレワークやオンライン授業など、リモートワークが増える中で、音声SNSがコミュニケーションの場として活用されることが期待されます。
音声SNSのメリット
音声SNSのメリットには、以下のようなものがあります。
コミュニケーションの豊かさ
音声でのやり取りは、テキストでのやり取りに比べて、より豊かなコミュニケーションを実現することができます。
例えば、音声でのやり取りでは、話し手の感情やニュアンスが伝わりやすく、より深い理解が可能です。
また、音声でのやり取りでは、テキストで表現しきれない情報や表現も伝えやすいというメリットがあります。
リアルタイム性
音声SNSは、リアルタイムでのコミュニケーションが可能です。
そのため、一方的な情報発信に留まらず、リアルタイムでのディスカッションや意見交換ができることがメリットの一つです。
例えば、ライブ配信機能を利用すれば、リアルタイムでのイベントやトークショーを開催することができます。
また、リアルタイムでのコミュニケーションにより、より密接なコミュニティを形成することができるというメリットもあります。
匿名性
音声SNSでは、テキストでの投稿と異なり、声だけで発信することができるため、匿名性が高いというメリットがあります。
例えば、自分の声を変えたり、音声のみでの投稿を行うことで、プライバシーやセキュリティの観点から匿名性を確保することができます。
また、匿名性により、特定の人物や団体に対して気軽に意見を発信することができるというメリットもあります。
音声SNSのデメリット
音声SNSの利用にはいくつかのメリットがある反面、デメリットも存在します。
その一つとして挙げられるのが、音声の品質です。
音声SNSでは、投稿する音声の品質によっては、聞き取りにくく、コミュニケーションがうまくいかないことがあります。
また、音声SNSでは、投稿した音声の時間制限があるため、長い話をする場合には、複数回に分けて投稿する必要があるほか、Clubhouseなどの音声SNSは、招待された人しか参加できないことがあるため、特定の人しか話せないことがデメリットとなる場合があります。
音声SNSを使ったマーケティングの可能性
音声SNSが普及するにつれ、そのマーケティングの可能性も注目されています。
現在、音声SNSは主にコンシューマー向けに利用されていますが、今後はビジネスにも活用されることが予想されます。
音声SNSを利用することで、音声によるコミュニケーションをよりスムーズに行うことができるため、テキストや画像による情報伝達では表現しきれない情報を伝えることができます。
また、音声SNSには、リアルタイムでのコミュニケーションができる機能があり、これにより、早期のフィードバックを得ることができ、商品やサービスの改善につながる可能性があります。
さらに、音声SNSは、より多様な層にアプローチすることができます。
従来のSNSは、主に若年層を中心に利用されていましたが、音声SNSは、年齢層を問わず、より幅広い層にアプローチすることができます。
これにより、新たな顧客を獲得することができる可能性があります。
他にも、音声SNSには、インフルエンサーや有名人が多く参加していることが多く、インフルエンサーを活用することで企業やブランドの認知度向上につながる可能性があります。
一方で、音声SNSを利用したマーケティングには、いくつかの課題もあります。
例えば、音声による情報伝達は、テキストや画像に比べて時間がかかるため、効率的な情報伝達が難しい場合があります。
また、音声SNSは、従来のSNSに比べてまだ普及している段階であるため、利用者数がまだ少ないという点も挙げられます。
とはいえ、今後は音声認識技術の進歩により、音声によるコミュニケーションがさらにスムーズになることが期待されていることからも、音声SNSを利用したマーケティングには、さらなる可能性があるといえるでしょう。
【今後も要注目】人気の音声SNSアプリ
最後に、今後も引き続き注目すべき人気の音声SNSアプリを5つご紹介します。
Clubhouse
Clubhouseは、2020年にリリースされた音声SNSアプリで、現在はiOSアプリのみで利用可能です。
ユーザーは、自分でルームを作成してトークを行うことができるほか、他の人が作成したルームに参加して話を聞くことができます。
ユーザー同士がリアルタイムで対話することができ、アプリ内での対話はすべて音声で行われます。
また、Clubhouseでは、アーティストや有名人によるライブ配信も行われており、ユーザーはその配信を聞いたり、コメントを送信することができます。
Twitter Spaces
Twitter Spacesは、Twitterが提供する音声SNSの機能で、Twitterアプリ内で利用することができます。
Spacesでは、ツイートを発信する代わりに音声でコミュニケーションをとることができます。
Spacesは、Clubhouseと同様に、リアルタイムでの対話を重視しており、ユーザー同士が音声でコミュニケーションを取り合うことができます。
Spacesでは、トークの主催者が「スピーカー」となり、聞き手は「リスナー」と呼ばれ、スピーカーはリスナーに話を聞かせたり、リスナーからの質問に答えたりすることができます。
Riffr
Riffrは、音声SNSアプリの1つで、2020年にリリースされました。
15秒から1分程度の音声メッセージを録音して投稿することができるほか、ユーザーはテーマやトピックに合わせて、音声メッセージを投稿することができます。
また、Riffrでは、他のユーザーの音声メッセージに対して、コメントやリアクションを送信することもできます。
Cappuccino
Cappuccinoは、2021年にリリースされた音声SNSアプリです。
Cappuccinoは、既存の音声SNSアプリとは異なり、よりリアルなコミュニケーションを実現するために、一定の制限を設けています。
たとえば、ルームには最大6人までしか参加できないという制限があることで、参加者同士が深い議論を行い、質の高いコミュニケーションが実現できるとされています。
Quilt
Quiltは、ビデオ会議アプリZoomと同じように、ビデオ通話の形式で会話ができる音声SNSです。
参加者は、ルームを作成したり、他のルームに参加したりすることで、ユーザー同士の交流が可能になります。
Quiltは、ビデオ会議アプリと音声SNSを融合させたようなサービスであり、音声コンテンツをよりリッチな形式で提供することができるのが特徴です。
【まとめ】音声SNSの今後について
今回は、音声SNSについて、その機能、現在の利用状況、メリット、デメリット、マーケティングの可能性、そして今後注目すべきアプリについて解説しました。
音声SNSは、現在では、主に若年層や音声に興味のある人々に利用されていますが、今後ますます多様な層に利用されるようになることが期待されます。
まだまだ発展途上の分野ではありますが、今後より普及し、SNSのコミュニケーションツールとして定着することが予想されます。
企業も、音声SNSを活用したマーケティングや広告手法を開発することで、新たなビジネスチャンスを生み出すことができることが考えられるので、音声SNSの動向について注視しましょう。
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