今注目のメンズコスメ業界における市場動向と広告戦略について

これまで活況を維持してきた化粧品やコスメ業界。しかし、コロナ禍の影響もあり、徐々に売り上げが低下するなど、その活況に陰りが見え始めています。そんな中、唯一勢いがあるのがメンズコスメの分野です。

今回は今注目されている「メンズコスメ業界の市場動向や広告戦略のポイント」について解説させていただきます。

メンズコスメ業界の市場動向

これまで、メンズコスメ関連商品の売り上げはコスメ業界全体からみればごくわずかでした。しかし今、メンズコスメ用品の売り上げは急激に増加、右肩上がりの成長を続けています。

特に2000年代に入ってからの10年間ではそれまでの2倍になるなど、決して無視できない市場規模となっています。日本の場合、メンズコスメ市場は今後も成長が予想され、2022年にはスキンケア用品だけでも約280億円の規模になるという予測もあります。

これは日本だけの現象ではなく、海外でも事情は同じです。たとえば、中国ではメイクやスキンケアに関心の高い男性が急増。2023年までには、市場は約9兆円を上回る規模に成長するとも言われています。

そのほか、欧米はもちろん、東南アジア諸国でもメンズコスメへの関心は高まっているため、今後もますますメンズコスメの売り上げ増加が予想されます。

メンズコスメ活況の理由

これまでにない程大きな規模に成長する可能性を秘めたメンズコスメの分野。ではなぜメンズコスメはこれほどの活況となっているのでしょうか。

コロナ禍がプラスに働いている

新型コロナウイルスは、日本経済のあらゆる分野に深刻なダメージを与えました。その中でも、買い物の減少など外出の自粛により、コスメ・化粧品分野への影響は大きなものとなりました。メイクをする機会そのものが減ることにより、コスメや化粧品の需要は減少しています。

そのような中、大きな影響を受けていないどころか、コロナ禍がプラスに作用しているのがメンズコスメの分野です。

コロナ禍によって、外出が制限された結果、増加したのがオンライン会議などのテレワークですが、このことにより男性は自分自身の顔や肌を長時間見ることになりました。

男性の場合、これまで自分自身の顔や肌の状態を注意深く観察する時間はそれほど長くはありませんでした。しかし自分自身に向き合う時間が増えたことにより、老化や肌ダメージに気づき、スキンケアの意識が高まる結果になったのです。

またコロナ禍により、外出する機会が少なくなったため、これまで興味があったけれど、なかなか実践できなかったメイクに挑戦するという男性も増え、結果としてメンズコスメの売り上げアップにつながっているのです。

それに加えて「おうち時間」の増加により、新しい趣味や生活習慣を取り入れたいという方々も増え、そのひとつとして、ますますメンズコスメにも注目が集まるようになりました。

ジェンダーレス意識の一般化

スキンケアやメイクなどコスメに関して、男性の意識は大きく変化しています。メディアなどには、ジェンダーレスの男性も登場し、メイクをしたり、スキンケアを熱心に行ったりといった行動も「おしゃれのひとつ」だという考えが一般にも広まりました。

こういった条件下「コスメやスキンケアは女性のもの」という考え方が変化し、「コスメに興味がある」と表明する若年層男性も珍しくなくなりつつあります。

また、ジェンダーレス意識が一般的になった世代が少しずつ経済力をつけ始めたことで、メンズコスメの購買量も増加しました。この傾向は今後も続いていくものと予想されます。

SNSの影響

日常生活に欠かせないものとなったSNS。SNSの普及は、男性のコスメやメイクに関する意識にも影響を与えています。

男性の場合、「メイクやコスメに興味があるがどこから情報を手に入れればよいのかわからない」「どのような方法でメイクをすればよいのか分からない」といった悩みはこれまで珍しいものではありませんでした。

しかし昨今、SNSの動画などにより、情報の入手は非常に簡単になりました。特に、メイクの方法を丁寧に教えてくれる「メイク動画」は頼もしい存在です。

さらに、SNSを通じて美容に関する情報を発信するインフルエンサーの中にも男性が増加しました。その結果、SNSは男性のコスメ意識に大きな影響を与えるようになりました。

メンズコスメ広告のポイント

現在、高い注目を集めているメンズコスメの分野。新しい分野だけに、広告にも多様な手法が用いられています。しかし、「広告」は表現や内容によっては消費者に良くない印象を与える可能性も考えられます。

では、メンズコスメの広告ではどのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。

男性ユーザーのニーズを理解する

女性の場合、コスメや化粧品の広告では「より美しく」という観点から製作されたものも少なくありません。

しかしメンズコスメの場合では、「美しく」というよりも、「周囲にばれにくい」「それほど目立たない」といった要素も重要になります。

というのも、実際にコスメを利用したり肌への意識が高い男性は全体から見ればまだ少数派だからです。

「メイク」といった言葉自体にも抵抗を感じているケースがあり、広告表現でもこういった男性の消費者心理に配慮する必要があります。

ダイバーシティへの意識

現在、大きな関心を高めている「ダイバーシティ」の概念。ダイバーシティは「多様性」「相違点」を意味する言葉で、「受容」を意味する「インクルージョン」と共に使われることもあります。

コスメやメイク、特にメンズコスメの広告ではこのダイバーシティへの配慮が重要な役割を果たします。

メンズメイクに関心のある消費者は「企業としてどのようなメッセージを発信しているのか」に注目することも多いものです。

目先の利益や目立つことだけを考えてダイバーシティへの配慮をおろそかにすると、あとで大きなトラブルになる可能性も高いため、十分に留意しましょう。

親近感を高める

コスメの広告の中には、作品としての美しさを追求したタイプのものも少なくありません。こういったタイプの広告はブランドのイメージを高めたり、消費者に対して強い憧れを持たせるといった観点からは効果的だと考えられています。

しかし、メンズコスメの広告の場合、重要になるのは「親近感」です。

というのも、男性の場合「メンズコスメに興味はあるが、敷居が高い」「試してみたいけれど、ハードルを感じる」ということも少なくありません。そこでブランドのイメージを更に上げてしまうと、ますます購入への意欲は遠ざかってしまうのです。

男性消費者に対しては製品やブランドのイメージをアピールした広告をするよりも、「親近感」を伝える広告のほうが効果的なことがあるのです。

SNS広告を重視する

すでにご説明させていただいたように、男性がメンズコスメに関する情報を入手したいと思ったとき、まず利用するのがSNSです。

また、メンズコスメへの関心は日本国内だけでの現象ではないため、海外展開を視野に入れている場合、多くのユーザーにリーチできるSNSは必要不可欠の存在です。

このような状況を踏まえ、メンズコスメのブランドが広告戦略を行うときには、まずSNSでの広告を重視する必要があります。

といっても、SNSの広告には様々な種類があります。また、TwitterやInstagram、YouTubeなど、SNSによっても男性の利用率は異なるものです。

特に最近のユーザーには、「広告」「PR」としてアップされたポストを読み飛ばしたり、無視するといった傾向があるため、SNS広告を行うときにはあらかじめしっかりと戦略を練ることが必要です。

※インフルエンサーを使ったマーケティングが気になる人は以下の記事がおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今後ますます需要が高まっていくことが予想されるメンズコスメの分野。社会状況や男性の意識はますます変遷していくと考えられているため、男性がメイクやコスメを利用するのが一般的になるのも、そう遠くないことかもしれません。

しかし、メンズコスメの広告分野では表現を始め、まだまだ模索中なのも実情です。そのため、メンズコスメの広告を行うときにはしっかりと準備することが必要です。

現在はインフルエンサーを起用したマーケティングなど様々な広告手法が生まれていることから、これらの新しいマーケティング手法を使うのもよい方法かもしれません。

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