BASEにてオンラインストアの運営を始めた方々の中には、Instagramからの集客を検討されている方も多いことでしょう。ショッピング機能の実装以降、Instagramはネットショッピングを楽しむSNSとしての地位を確立してきました。本稿では、BASEとInstagramという2つの人気プラットフォームの連携について詳細にご紹介いたします。これからBASEでショップを開設される方も、既に連携を行いその活用方法を知りたい方も、ぜひご一読ください。
目次
BASEとInstagramの連携について

Instagramのショッピング機能は、投稿に付けられたタグをクリックするだけで商品ページにアクセスし、シームレスにネットショッピングを楽しむことができる仕組みです。2020年の時点で、日本はInstagramショッピング機能を最も多く利用する国の一つで、ユーザーの3割以上がInstagramショッピングを利用して購入を経験していました。(参考:アライドアーキテクツ)近年では、Instagramを検索エンジン代わりに商品を探し比較検討するユーザーも増えており、ネットショッピングにおける集客ツールとしての重要性は言うまでもありません。
一方、BASE(ベイス)も人気のあるオンラインストア構築クラウドサービスで、同社のデータによると、2022年には180万を超えるショップが作られ、その解説実績は5年連続でNo.1を達成しています。その魅力は、知名度の高さと、初期費用や月額固定費がかからずにオンラインストアを運営できる手軽さです。さらに、BASEのダウンロード数が2021年に800万を超えていることからも、その利用者数の多さが伺えます。
BASEのショップオーナーの90%がInstagramを販促に活用しており、その親和性の高さが伺えます。(参考:BASEプレスリリース)この二つのサービスを連携するメリットは、何よりも集客力の向上にあります。BASEはショップ運営に重きを置いており、それ単体では集客が難しいです。それに対し、2023年には月間アクティブアカウント数が3,300万にも達するInstagramと連携することで、InstagramのユーザーをBASEのショップへ誘導し、集客力や売上向上を期待することが可能となるのが大きな利点です。
BASEとInstagramの連携手順
連携を行うには、InstagramとBASEのほかにもFacebookアカウントの準備が必要となります。以下に、具体的な連携手順を詳細に説明します。
1. 利用規約の確認
初めに、Instagramショッピング機能を使用するにあたってのルールを確認してください。アルコール飲料、タバコ、定期購入、デジタルコンテンツなどの無形商品は利用対象外です。詳細はInstagramのコミュニティガイドラインに記載されていますので、確認してください。また、Facebookのコマースポリシーとコマース製品販売者契約も合わせて確認しましょう。
2. Facebookアカウントとページの準備
まだFacebookアカウントとページをお持ちでない方は、ショップ用のFacebookページを作成します。ページ作成は、Facebookのホーム右上の「+」マークから「ページ作成」を選び、必要情報を入力することで行うことができます。注意点として、既存の個人アカウントから作成する必要があります。新規アカウントでは承認されない可能性があります。連携後も設定変更が必要になるため、アカウントは削除せず保持してください。
3. Instagramのプロアカウントへの切り替え
Instagramショッピング機能はアプリからのみ利用可能なので、最新バージョンのアプリをインストールしておきましょう。次に、プロアカウントへ切り替えを行います。Instagramの設定画面から、「アカウントと種類のツール」を選び「プロアカウントに切り替える」を選択します。指示に従ってジャンルを選び、連絡先情報を入力し、先に作成したFacebookページとのリンクを行います。ショッピング機能を利用するには、プロフィールやカテゴリなどの基本設定が完了していること、また投稿が3つ以上あること、そして一定数以上のフォロワー数があることが必要です。フォロワー数が少ない場合、審査に通過しない可能性があることを認識しておきましょう。
4. BASEで「Instagram販売App」のインストール
続いて、BASEの管理画面からAppsページに移動し、「Instagram販売App」を無料でインストールします。
5. BASEでFacebookとの連携
BASEの設定ページを開き、「Facebookと商品情報を連携する」を選択します。Facebookの認証画面が表示されたらログインし、リンク設定を進めます。「ショップを開く」のページでは、Facebook広告、Facebookショップ、Instagramショッピングの3項目のチェックボックスが表示されますので、全て選択した状態でスタートを押します。広告を出す予定がなくても、全て選んでおくことで申請がスムーズに進みます。ここで連携に必要なFacebook機能の確認が表示されます。まだ準備が整っていないものがあれば、案内に従って設定を行いましょう。
6. BASEのカタログをFacebookにインポート
次に、BASEで既に販売している商品情報を、Facebookカタログへインポートします。最後に「BASEに許可するアクセス設定」が表示されますので、全て「はい」を選んだ状態で設定を完了します。なお、現在はドメイン認証が自動で行われますが、「独自ドメイン App」を利用している場合など一部の場合には手動でドメイン認証が必要になります。「Instagram販売 App」の設定ページに「ドメイン認証を実行する」ボタンが表示されている場合、それに従って設定しましょう。
7. Instagramによる審査の受け入れ
ここまでの設定が完了したら、Instagramショッピング機能の利用に向けて、審査が自動で開始されます。審査期間は24時間から4週間ほどかかる場合があります。審査結果はFacebookコマースマネージャから確認できますし、登録したメールアドレスにも通知が送られますので、定期的に確認しましょう。
8. ショッピング機能の活用
承認が下りたら、Instagramのショッピング機能の利用を開始できます。通常の投稿で画像にタグ付けを行い、商品URLを選択するだけです。タグ付けがうまく行かない場合は、商品の在庫が不足している可能性がありますので、在庫状況を確認してみてください。
以上がBASEとInstagramを連携させる手順となります。インターネット上のショップ運営において、SNSとの連携は欠かせない要素です。特にInstagramは、投稿内容とショッピング機能を上手く組み合わせることで、高い集客効果を期待することができます。BASEとInstagramを連携させ、多くの顧客に対して商品情報を伝えることで、ショップの売上向上に貢献しましょう。
BASEとInstagramの連携機能について

BASEからFacebookへカタログをインポートすることにより、BASEの商品情報がInstagram上で容易にタグ付け可能となります。商品の新規登録を行う必要がなく、非常に便利な機能であると言えます。
さらに、カタログの同期も手軽に行え、更新も容易です。Instagram販売 App内の「Instagram販売ボタン」から「手動設定/更新」を選択し、約15分後には反映されます。
Instagramのショッピング機能を使用すると、ユーザーは投稿に付けられたタグをクリックするだけで商品の価格や詳細情報に直接アクセス可能となります。
さらに、購入ページへ直接リンクする機能があるため、ユーザーの購入までの流れを大幅に短縮することが可能です。タグ付けだけで効率的な集客ルートを作り出せる点も大きな利点です。
しかしながら、単に連携を行っただけで即座に売上が上がるわけではないことを理解しておく必要があります。多くのアカウントが存在するInstagramにおいて、自社の魅力をどのように差別化し、アピールするかが集客の鍵となります。
次節では、準備すべきポイントと具体的なプロモーション方法について詳しく説明します。
Instagramを活用した商品プロモーションの実践

Instagramでは、直感的にビジュアルが評価されるため、投稿するビジュアルのクオリティには十分に注意を払いましょう。画像の加工方法も大きなポイントとなります。文字を挿入したり、背景色を印象的にしたり、複数の写真を組み合わせたりと、様々な工夫が可能です。
ユーザーがタイムラインをスクロールする中で投稿が注目を引くためには、このような工夫が不可欠です。
さらに、ブランドのストーリーを伝える投稿やプロフィールも重要です。差別化を図るためには、ブランドのターゲットを明確にし、そのターゲットが共感できるようなコンテンツ作りが重要となります。
ブランドの誕生背景や大切にしている哲学、商品が出来上がる過程などを紹介するのも有効です。プロフィールページはブランドの顔とも言えますので、細部までこだわって作成しましょう。投稿の世界観は統一されたものであるべきであり、ブランドの主力商品や人気投稿はピン留めしてトップに表示すると、新規ユーザーにとってアクセスしやすくなります。
また、プロフィール文も明瞭で伝わりやすいものにしておくことが推奨されます。
次に、発信内容の精査が完了したら、投稿のタイミングについても考えるべきです。可能な限り多くのユーザーにリーチするために、ターゲット層が活動している時間帯を狙って投稿することをおすすめします。
Instagramでは、インサイト機能を用いてフォロワーの活動時間帯を確認することが可能です。また、定期的に同じ曜日や時間に投稿を行うという戦略も有効です。こうすることで、フォロワーが情報を求めて特定の日時に訪れる可能性が高まります。
BASEとInstagramの連携による成功事例

以下では、Instagramとの連携を通じて事業拡大を実現しているBASEショップの具体的な成功例を紹介します。
UCHIDA HOUSEI

縫製工場によるジーンズブランドUCHIDA HOUSEIは、新商品を多くのユーザーへ短時間で公開できるという手軽さから、Instagramのショッピング機能を導入しています。Instagramアカウントでは、洗練された商品画像に加え、自然体の着用スナップや縫製のプロセスが見られます。
自社ブランドを身に纏った日常のスナップ写真は、親しみやすい日記形式のコンテンツとなっています。また、工場の縫製の様子を見せることで、製品の製造背景を覗くことができる投稿も行っています。
経年変化やジーンズの洗濯方法など、顧客からの質問に対応する投稿も積極的に行っています。豊富な投稿アイデアと人間らしさが感じられるコンテンツ作りにより、「このブランドから購入したい」と感じるファンを増やすことに成功しています。
13lue

引用:https://www.13lueofficial.com
アクセサリーブランドの13lueは、Instagramアカウントで22,000人以上のフォロワーを有しています。白を基調とした美しい投稿画像だけでなく、商品の質感が感じられる動画も活用しています。
リールの投稿では、再生回数が10,000回以上に達するものもあります。また、ブランドコンセプトとして海洋汚染に注目し、環境問題や持続可能なライフスタイルのアイデアを発信しています。ブランドの思想を共有することで共感を得て、ファン化を達成しています。
過去にはプレゼントキャンペーンも実施し、コメントを投稿すると抽選でプレゼントが当たるという、エンゲージメントを向上させる具体的な例となっています。さらに、ストーリーズでの広告配信やインフルエンサーを起用したPR投稿も積極的に行い、ブランドの認知度を全面的に高めています。
de mage

引用:https://pandemage.thebase.in
国産小麦を使用したベーグルや焼き菓子を販売するde mageは、購入までの手順を簡素化し、購買を促進するためにInstagramのショッピング機能を活用しています。Instagramでは、鮮やかな文字やイラストを添えたパンの写真を目立つように投稿しています。断面や具材のクローズアップ写真は視覚的な魅力を高め、視認性を向上させています。
また、毎週特定の曜日には必ず投稿を行う徹底ぶりで、投稿に合わせて一定の集客が見込まれます。リール動画では、売上ランキングから新商品紹介まで様々な情報を発信しています。
売上を伸ばすための商品はストーリーズにも掲載し、情報の見逃しを防止するなど、ユーザーが情報を得やすい配信を心掛けています。
ベストプラクティスとアイデアの提供

最後に、成功事例やInstagramの機能を基にした集客拡大のアイデアをご紹介します。
動画投稿を活用する
静止画だけでなく、動画を積極的に活用しましょう。動画はタイムラインで自動再生され、視覚的に引き立つだけでなく、商品の魅力を多角的に伝えることが可能です。
特に近年、Instagram自体がショート動画の配信に力を入れており、動画投稿が拡散されやすい傾向にあります。アプリの下部メニューにあるリール専用ページでは、フォローしていないユーザーにも推奨投稿が表示されます。リールや動画にもショッピング機能は利用可能なので、新規ユーザーにアプローチする機会として積極的に利用しましょう。
人気投稿を目指す
フォロー外のユーザーにも推奨される人気投稿ページへの掲載を積極的に狙いましょう。人気投稿は、ユーザーの関心事に基づき、多くの「いいね」やインプレッションが得られた投稿が表示されます。
人気投稿を目指すためには、商品の直接的な訴求だけでなく、ターゲットユーザーにとって有益で魅力的な情報提供が重要です。豆知識や専門家からのユーザーの質問への回答など、保存して後で見返したいと思うような内容を投稿すれば、エンゲージメント率やフォロワー数の増加につながるでしょう。
「いいね」を促すコメントや、「好きな色をコメントで教えてください」など、積極的にエンゲージメントを促す手法も効果的です。
また、コメントによるプレゼントキャンペーンなども、多くのリアクションを集め、人気投稿になる可能性があります。キャンペーン実施中はストーリーズを投稿したり広告配信を行うことで、視認性をさらに高めることができます。
【まとめ】BASEとInstagramの連携機能を最大限に活用しよう

ネットショップの集客には、膨大なユーザーベースを持つInstagramは欠かせないツールです。連携手順は初めての方には多く感じられるかもしれませんが、一度設定を完了すれば、Instagramでの商品情報発信はいつでも手軽に行えます。
ユーザーにとっても、SNSから直観的でシームレスな購入体験を提供するショッピング機能は非常に便利です。
投稿内容の精査はもちろんのこと、リールを積極的に活用し、リアクションを促すなどして、リーチを拡大することも重要です。本記事の成功事例を参考に、集客拡大や売上向上に向けた活動に取り組んでみてください。
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