皆さんはブランドには「ミッション」と呼ばれるものがあるのを知っていますか?
それぞれのブランドが商品を作って、提供しているのは皆さん知っていると思います。
ですが、そのブランドが本当に提供している価値って、商品じゃなくて「ミッションに記された価値」なんです。
少し難しい話だと思いますが、この記事を読むと「ブランドミッションとは何か」についてわかるようになります。
それでは、早速解説していきますね。
目次
ブランドミッションとは?

ブランドミッションは、ブランドの目標、目的、そしてユーザーにどのように貢献するかをはっきりと示します。
これだけでは少し難しいですよね。なのでもう少し具体化して行きたいと思います。
もう少し具体的に言うと、ブランドミッションはブランドビジョンを実現するためにあるものと言えます。
これでもまだ抽象度が高いと思うので、図に落とし込んでいきます。

ブランドにはブランドビジョンというものがあります。これはブランドの目指す姿を表したものになります。
例えば「幸せな世界を作りたい」などです。
このブランドビジョンを実現するために必要なのが「ブランドミッション」です。
ブランドミッションではビジョンを実現するために必要なこと、先ほどの例を使うと「趣味を趣味じゃなくする」ことによって「幸せな世界を作る」といった感じです。
つまりブランドミッションはブランドビジョンを実現するための手段であり、どのような手段でブランドビジョンを実現するか明言しているものになります。
ブランドミッションは企業が成長し、目標を再設定するたび、変わっていっても良いものとなっています。
というのも、企業の大きさや状況によってブランドビジョンを実現する「手段」は変わるからです。
それでは具体例を用いてさらに解説していきます。
Asanaのミッションステートメント例

Asanaのブランドミッションステートメントは、ブランドミッションがどのように幅広く、かつ具体的に企業の目標実現を表しているかを示す素晴らしい例です。
Anasaはタスク管理ツールを提供している会社です。
Asanaのブランドミッションは、「世界中のチームが難なく協力することを可能にし、人類の発展に貢献すること」となっています。
このメッセージは言いたいことをストレートに伝え、Asanaが何を表しているかの定義を十分わかりやすく伝えています。
タスク管理ツールを使った先の世界を上手く表しています。
ブランドミッションを設定するメリットは何?

ここまで読んでくださった皆さんの中には「ブランドミッションやビジョンを設定する意味ってあるの?」と思っている方がいると思います。
先に結論を申しますと、「意味あります」。
理由は以下の2つです。
従業員の判断軸になる
皆さんが働いている中で非常に難しい決断を迫られた経験はありませんか?
そんな時に皆さんはどんな判断軸を持ってその決断を下しましたか?
会社のためになるか、お客様のためになるか…
色々な判断軸があると思います。
そしてブランドミッションもその判断軸になるんです。
例えばあなたの会社が化粧品を売っていて、たくさんの肌の色にあった商品展開をしたいとは思っているのだけれども費用の観点から難しいとします。
その時にもしブランドビジョンが「全ての肌の色に最適な化粧品を届けて、それぞれの美を追求する」というものであれば、「ビジョンを達成するためにはたくさんの色で商品展開をするべきだ」と決定できるでしょう。
このようにブランドミッションは従業員が意思決定をするときに判断する「判断軸」になるのです。
ユーザーに届けたい価値を決定できる
ブランドミッションは、ブランドビジョンを実現するためのものですよね。
実はブランドミッションに関係するものがもう一個存在します。
それが、ブランドバリューです。
ブランドバリューとは、ブランドがユーザーに届けたい価値を明言するものです。
化粧品を例に取ると、「多様な美」という価値を届けたいとします。
化粧品会社はその価値を化粧品という商品を使って届けているのです。
このようにブランドミッションを設定することでブランドバリューが定まり、ユーザーに提供したい価値がしっかりと定まるのです。
ちなみに…
ブランドミッションは業界によって大きく変わります。
例えば通信業界にいるA社、業務改善ソフトウェアを扱うB社、乾燥機を扱うC社があったとしましょう。
この3つの会社のブランドビジョンは「ストレスフリーな世界を作る」だとします。
この場合A社は通信速度を早くすることによって「ストレスフリーな世界を作ろう」とするでしょう。
B社は業務改善ソフトウェアを通じて「ストレスフリーな世界を作ろう」としますよね。
C社も同様です。
このように同じブランドビジョンを持っている会社でも、業界や商品によってブランドミッションは全然変わるのです。
なぜブランドミッションは大事なのか?

ミッションをはっきりと定義することは、ブランドがやるべきことを明確にするのに役立ちます。
ひとたびブランドミッションを明確に定義すると、そのミッションに対してあなたのブランドが行うべきことを書き出し、リスト化することができるからです。
リスト化した「ブランドビジョンを実現するためにやるべきこと」はブランドとしてどの方向に進んでいくべきかを理解する指標となるでしょう。
また、新製品を発売する際には、「それがブランド全体のミッションと一致しているかを決める」素晴らしい指針にもなります。
長くブランドを運営していると、初期の頃とブランドの軸がズレてしまうということがあります。
その時に立ち返ることができるのが、ブランドミッションなのです。
なので大企業や有名な企業のHPに行くと、経営指針やミッションが書いてあるのですね!
ブランドミッションを作る際のコツ!

ブランドミッションを決めるのはとても難しく感じるかもしれません。
なんせ、困った時に立ち返る軸ですからね。
しっかりとしたものを立てなければいけません。
おすすめする最初のステップは、同業他社のブランドミッションを研究することです。
もちろん、あなたのブランドミッションはオリジナルであり、あなたのブランドを代表するものでなければなりません。
しかし、他のブランドからインスピレーションを得ることはできるはずです。
次に、あなたのブランドの目標や、オーディエンスや世界に対してどんな影響を与えたいかについて、リストを作成しましょう。
その際に立てるブランドミッションやブランドビジョンは、長期的な目標を反映しているのが良いでしょう。
なぜならブランドミッションはブランドの現状より大きな目的を反映し、少なくとも2、3年は企業の指針であり続けるはずだからです。
ブランドミッションステートメントを作成する過程では、次の4つに気をつけて作成しましょう。
- どのような方法で、そのブランドはオーディエンスに価値を与えることができるのか。
- このような貢献をすることで、どのような大きな影響を与えたいのか。
- これらの目標は実用的で、現実的か。
- 企業活動のあらゆる場面で、ブランドはこのミッションを体現することができるか。
短くまとめるのがおすすめ
ブランドミッションは長文である必要はありません。
簡潔な文が数行あれば十分です。
従業員に対しては、より長くて確固としたビジネス計画を企業内部で示すことはできるでしょう。
なので、公開するブランドミッションは簡潔で十分なのです。
TEDのミッションステートメントは、次のたった2語です。
Spread Ideas

コンピュータ上であらゆる人々に、短く、しかしとても価値のあるコンテンツを伝えることで知られているTEDにとって、この上ないブランドミッションですね。
このブランドミッションは言いたいことをストレートに伝え、企業としてTEDが表現したいイメージを完璧に伝えています。
ブランドボイス/ブランドアイデンティティと何が違うの

ブランドミッションとブランドの他の要素、例えばブランドボイスやブランドアイデンティティと混同されがちです。
これらはお互いに関連していますが、それぞれがブランドのイメージを形成するうえで、異なる役割を果たしています。詳しく見ていきましょう。
ブランドミッション:ブランドビジョンを実現するためにどのような方法を取るのかを決めるのがブランドミッションです。ブランドの目指している世界に向けてどのように行動を起こしていくかを述べます。
ブランドボイス:ブランドボイスとは、ブランドがオーディエンスに話しかける様式のことを指します。その語り口調は、あなたのブランドについて多くのことを伝えます。威厳のある、熟達した語り口調を用いるブランドもあれば、より遊び心があり、ユーモアのある又は皮肉っぽい語り口調のブランドもあります。あなたのオーディエンスがどのような人達なのか、またブランドに対してどういうイメージを持ってほしいのかによって、ブランドボイスを決めましょう。
ブランドアイデンティティ:ブランドアイデンティティとは、ブランドの視覚要素のことを指します。ブランドの色やフォント、または一般的な美的要素など、一目見てそのブランドであると分かるものが組み合わさって、ブランドアイデンティティを形成します。
このように同じものと認識されやすいものにも、違いがあるんですね。
ブランドミッションのまとめ
今回はブランドミッションについて紹介しました。
名だたるブランドや企業には必ずミッションやビジョンがあります。
もし皆さんがブランドを運営し始めて、まだミッションが決まっていない場合は、今決めることをお勧めします。
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