ますますと規模を拡大させているソーシャルメディア業界。その中心には若年層のインフルエンサーがおり、彼らが常に流行のトリガーとなっています。
しかし、高齢者でもインフルエンサーとして活動する人は多く存在するということも忘れてはいけません。
今回の記事では、そんなシニア世代のインフルエンサーについて取り上げ、彼らの魅力についてご紹介します。
シニアでもインフルエンサーになれるの?

シニア世代のインフルエンサーはシニアインフルエンサーと呼ばれており、他にも高齢インフルエンサーやグランインフルエンサーなど、様々な呼称があります。
彼らはブログやInstagramなどのSNSアカウントを所有・運営しており、主なトピックは投資アドバイス、旅行、建設、写真、家事、仕事論、DIY、美容、ファッションなど多岐に渡ります。
彼らのようなシニア世代は人生で様々なことを経験していて、その経験や知識を世界中に発信するツールとしてソーシャルメディアを活用しています。そして、様々な人と繋がり関係を構築できるソーシャルメディアは彼らにとって憩いの場でもあります。
シニアインフルエンサーの隆盛

Instagram上のインフルエンサーの約4分の3が35歳以下(42%は18〜24歳)であり、若者のインフルエンサーがほとんどを占めるといわれていますが、それは高齢者層がいないというわけではありません。
インフルエンサーマーケティングに関しての英文記事を発信うるmediakixは、Instagram上のシニアインフルエンサーの内、最もフォロワーの多い10名に関して、2017年9月以降に全体のフォロワーが24%増加したと分析しました。
このように、シニアインフルエンサーは徐々に注目を集めるようになってきており、インフルエンサーマーケティング市場においても、無視できない存在となっています。
健康のためのソーシャルメディア

多くの高齢者、特に定年退職後の人が直面する課題として、何もすることがないため1日の時間を持て余し、手持ち無沙汰になってしまうといったことが挙げられます。
もし子供や孫と同居していれば、彼らと会話することで時間を過ごせるでしょう。しかし、単独で住んでいる場合、家でじっとしている時間が長すぎることで、認知症やうつ病を引き起こす可能性もあります。
この問題が発生している中で、近年のソーシャルメディアは多くの高齢者にとって救世主となっています。
TheIndianEXPRESSによると、Facebookやその他のSNSに時間に費やすと、孤立感が大幅に減少し、コミュニティの一員であるかのように感じることができるようです。
多くの高齢者は彼らが興味のあるジャンル、かつ邪険にされないと感じるコミュニティに参加します。ソーシャルメディアはクリック1つで、新しい友情を築きあげることが出来るだけでなく、長い間疎遠になっていた友達との関係を取り戻すことも可能とするのです。
このように、時間を費やせること、そして幸福感の増加という面からも高齢者がソーシャルメディアを活用するメリットがあります。
日本のシニアインフルエンサー

それでは、シニアインフルエンサーは実際にどういった投稿を行っているのでしょうか?百聞は一見に如かず、ということで2つの日本人シニアインフルエンサーの例をご紹介します。
夫婦のシニアインフルエンサー「bon・pon」
ファッションインスタグラマーであるbon・pon は37年間寄り添い合っている60代のご夫婦です。
2016年12月にInstagram を始めて以来、彼らのお洒落なドレスアップを見たいと、827,000人を超えるフォロワーがおり、そのフォロワーも国際色豊かです。
旦那さんの定年退職後、ご夫婦のリクエストに応じて娘さんが写真撮影を行い、それをインスタグラムにアップロードしたところ、たちまち話題となりました。
彼らは着こなしを発信する際に、ファッションブランドと定期的にコラボレーションをしたり、特別ゲストとしてファッションイベントに参加することもあります。更には、ブランドのアンバサダーを務めることもあるのです。
奥さんは決まって旦那さんより小さく見えるように2歩後ろに立ち、腕を掴んで男性を立てるように魅せる、というこだわりを持っており、写真を撮る際にはこの点を意識されていることが多いようです。
こういったポーズは若者のカップルがよく使うもので、これをシニア世代であるお二人がやるからこそ、可愛らしさや愛おしさが引き出され、多くの人の興味を引いています。
セカンドライフを生き生きと過ごすご夫婦に感銘を受ける人はたくさんおり、彼らの年齢ならではの愛らしさ、そして若者に負けないファッションに対する鋭い目を持っていることに関心を寄せています。
写真家シニアインフルエンサー「西本喜美子」
日本の写真家である西本喜美子さんは御年90歳で、風変わりな自分自身を写した写真は多くのメディア上で話題になりました。
彼女は専業主婦として数十年間過ごした後、息子に勧められた初心者向けの講座で写真を学び、それ以来写真を撮り続けています。
自然や美しい写真を撮影しブログ上で発信し、更には作品を掲載した写真集も発売しています。高齢者の冒険好きな生活を表現した芸術的かつ才能のある写真集です。
また、彼女は東京で写真展も幾度か開催しており、西本さんの遊び心をテーマとした写真の数々が展示されていました。
彼女の遊び心や冒険心を全面的に出した彼女の作品は、多くの人の心を掴み、まさにたくさんの人に影響を与えるインフルエンサーとして活躍しています。
カナダドライ×シニアインフルエンサー
シニアインフルエンサーの人気が増えていることもあり、近年ではシニアインフルエンサーと企業が提携し、インフルエンサーマーケティングを行うことも珍しくなくなってきました。
直近の提携例としては、大手ソフトドリンクメーカーである「カナダドライ」がシニアインフルエンサーを複数起用して商品のプロモーションを行いました。
莫大な人数のフォロワーを持つインフルエンサーのため、多くのエンゲージメントを獲得しました。
また、投稿のキャプションには#notyourgrandma(あなたのおばあちゃんじゃないよ)という可笑しいハッシュタグ付けを統一させることで、多くの話題を生みました。
まとめ

今回はシニア世代のインフルエンサーについての記事をまとめました。
彼らはただ、コンテンツを配信するためにインフルエンサーとして活動するのではなく、今まで培ってきた知見を共有したり、新たな生きがいとしてSNSを楽しんだりと、ご高齢であるからこそのSNSの活用方法があります。
そして、そのオリジナリティには国内外問わず多くの人や企業が魅了され、プロモーション等にも活用されています。
インフルエンサーマーケティングの新たな切り口として、シニアインフルエンサーを起用してみてはいかがでしょうか?
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