国内外問わず、ますます拡大しているインフルエンサーマーケティングの市場規模。
各企業は次々とインフルエンサーマーケティング施策を打ち出しており、今日YouTuberを筆頭とするインフルエンサーが様々なプロモーションで活用されているのが見られます。
今回の記事では、そんな波に乗っているインフルエンサーマーケティングが現在どれほどまでにその規模を拡大させているのかについて分析した上で、その要因とこれからの動向を詳細に解説していきます!
目次
日本におけるインフルエンサーマーケティングの市場規模

国内のインフルエンサーマーケティングの市場規模は拡大の一途を辿っており、2025年の推計まで毎年前年を超える予測がなされています。
また、2021年の市場規模は前年に比べて34%増の425億円にまで上ると予測されており、今年もインフルエンサーマーケティングのさらなる盛り上がりが期待されているのです。
特に、新型コロナウイルス蔓延の影響は大きく、予算削減のために広告費への割り当てを減少させる企業も多い中、巣ごもり需要によるインターネットへのアクセスの増加を背景に、よりインフルエンサーを活用したデジタル広告を増やす企業も多くなっています。
各SNSのインフルエンサーマーケティング規模も全て年々拡大しており、2021年以降もどのプラットフォームにおいても下降はなく、引き続き上昇し続けると見られています。
各SNSにおける市場規模の分析

YouTube
YouTubeはインフルエンサーマーケティング市場においての占有率が最も高く、2022年以降は200億円を超すと見られています。
動画投稿プラットフォームであるため、商品・サービスのPRにおいても視覚と聴覚を通じてより詳細に視聴者へ伝えることができるという強みは、マーケティングを行うにも最適な場所であり、この点が高い市場占有率にも繋がっていると考えられます。
また、多くのユーザー数がいるYouTubeは、2020年12月の国内MAUが6500万人を超え、この膨大なユーザー数による訴求効果の高さもその市場規模の大きさの要因の1つです。
YouTubeに次いで大きく市場を占有しているのがInstagramです。
2019年まではTwitterと10億円以内の差であったのが、2020年よりその差が広がっていき、2025年にはTwitterより47億円多い185億円に上るといわれています。
Instagramは単なる画像投稿プラットフォームではなく、ストーリー機能やリールなどの動画投稿も可能となっていることから、幅広いPRができます。インフルエンサーマーケティング市場におけるInstagramの急成長はこの特徴に起因するといえます。
YouTubeとInstagramに次ぐのが、Twitterです。
2019年から2020年にかけては大きな変化はなかったものの、それ以降は他のプラットフォームに乗じて次第に拡大していくことが考えられており、2025年には138億円に到達することが予想されています。
Twitterの特徴は何といってもその拡散力です。リツイート機能によってフォロワーからフォロワーへ、話題性のあるツイート内容であればあるほど次々と拡散されていきます。
そのため、インフルエンサーマーケティングがよく行われるほか、YouTubeやInstagramで投稿されたPR投稿についての情報拡散でTwitterを利用するといった活用方法もあります。
インフルエンサーマーケティングの国内市場規模が今後さらに拡大する理由

先述の通り、今後の国内におけるインフルエンサーマーケティングの市場規模はますます拡大していきます。
その要因として挙げられる点はいくつかありますが、その中でも最も影響力の高いと思われる4点について見ていきましょう。
①SNSの普及
今日、日本人の90%以上が個人の携帯電話を所有しており、スマートフォンが各世代に普及しています。
それに乗じて人々のインターネットの利用時間も増え続けており、10代・20代の若年層を中心としたSNSや動画投稿・共有サービスの利用時間の長さの伸びは顕著です。
(参照:総務省|「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表 (soumu.go.jp))

右側が休日におけるインターネットの利用項目別の平均利用時間(分)
このSNSの利用者数・利用時間の伸びはインフルエンサー市場に大いな活気を与え、広告に高い費用対効果を求める各企業はインフルエンサーを活用したプロモーションにより注力することが予想されるため、インフルエンサーマーケティング市場全体の拡大が見込まれています。
②「インフルエンサー」の偶像化
インフルエンサーという存在が社会的に広く認められてきたことは、インフルエンサーマーケティング市場の拡大を助長している要因であるといえます。
過去にはゲーム実況者として活動するYouTuberが「ゲームばっかしてお金を稼ごうとするのはいかがなものか」と懐疑的な目を向けられることも多かったですが、その「好きなことを仕事にする」という考え方が人々の共感を呼び、今では芸能人でさえもYouTuberデビューするといったケースが数多く見られます。
こうして1つの職業として広く認知されてきたインフルエンサーですが、この影響は子供たちにも波及しています。
学研の小学生を対象とした調査によると、将来就きたい職業ランキングで「YouTuberなどのネット配信者」は「プロサッカー選手」に次ぐ第4位であり、インフルエンサーという職業は子供たちの憧れとして定着していることが分かります。

つまり、この偶像化ともいえる人々のインフルエンサーに対する考え方の変化によって、幅広く受け入れられるようになったインフルエンサーは、今後も憧れの対象としてマーケティング市場を牽引していく存在にあると考えられます。
③マイクロインフルエンサーへの注目度の増加
インフルエンサーマーケティングにおいて、フォロワー数の少ないインフルエンサーの方が多いインフルエンサーに比べてエンゲージメント数が高くなる傾向にあります。
以下の表はYouTubeを除いた各SNSのフォロワー数に対するエンゲージメント率を表したものです。
この表から読み取れる通り、フォロワー数とエンゲージメント率は反比例しており、特にInstagramでは1000人以下と10万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーでは約7倍もの差がエンゲージメント率に表れます。
そのため、比較的フォロワー数の少ないマイクロインフルエンサーへの注目度は増してきており、今後インフルエンサーマーケティング市場をより盛り上げる存在であると考えられているのです。
※マイクロインフルエンサーについては以下の記事を参照※
④新しいSNSの登場
現状、日本におけるSNSの代表格はYouTube、Instagram、Twitterなどですが、今後数年以内にこれらに加わるSNSが誕生する可能性は十分にあります。
例えば、最近になって日本に上陸し、次世代型SNSとして大きな話題になっている「Clubhouse」というアプリはご存じでしょうか?
Clubhouseは音声版Twitterとも呼ばれ、チャットルーム内で知り合いや不特定多数の人とリアルタイムで音声のやり取りが可能であり、新型コロナウイルスによって周囲の人と存分に会話ができない窮状を追い風に今世界が大注目しているSNSです。
このように常に新しいSNSの隆盛を期待できるのがインフルエンサーマーケティング市場の強みであり、今後への更なる可能性を示唆しています。
なぜ海外のインフルエンサーマーケティングについて知るべき?

海外におけるインフルエンサーマーケティングの市場規模をご紹介する前に念頭に置いといていただきたいのが、インフルエンサーマーケティングは日本発祥のアイデアではないということです。
数年前に海外を中心に誕生したこのマーケティング手法は、海外を中心に流行し、近年になってようやく日本でも様々な企業が積極的に活用するようになってきました。
世界がトレンドの最先端を行き、しばらくして日本に流入されるというのはインフルエンサーマーケティングに限ったことではなく、どの業種でも同じことがいえます。
つまり、国外におけるインフルエンサーマーケティングの市場規模の動向は、将来的な国内での動向を表すものであり、今後のマーケティング施策を考える上でも非常に重要なことなのです。
海外のインフルエンサーマーケティングの市場規模

海外のインフルエンサーマーケティングの市場規模は国内と同様に拡大し続けており、その規模は巨大です。
以下のグラフは海外の権威あるインフルエンサーマーケティング関連のサイトであるInfluencerMarketingHubが公表している海外の市場規模の推計とMediakixが予想した2022年の市場規模を基に作成したグラフです。

常に日本の10倍以上の大きさで成長している世界のインフルエンサーマーケティング市場ですが、2021年以降に1兆円を超え、2022年には1.5兆円にまで上ると予想されています。
1兆円超えの市場規模と聞いてもパッとしないかもしれませんが、新型コロナウイルスのワクチンの市場と同じくらいといえばイメージしやすいでしょうか。
日経新聞によると、ワクチン市場は将来的に約1兆300億円を超える規模になるとの試算が出ており、この世界中の人々が関心を寄せているトピックの市場規模を超すほどにインフルエンサーマーケティング市場は拡大すると予想されています。
インフルエンサーマーケティングの市場規模のまとめ

今回は2021年最新版の国内と国外における、インフルエンサーマーケティングの市場規模について紐解いていきました。
新型コロナウイルスのワクチン市場よりも拡大することが期待されているインフルエンサーマーケティングは、各企業がすぐにでも実施するべき「必要至急」のマーケティング戦略です。
本記事を参考にし、今後の事業拡大のためにもインフルエンサーを活用した施策を考えてみてはいかがでしょうか?
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