VR(バーチャルリアリティー)など様々な場面で聞くようになった「バーチャル」という言葉。
最近では大人気ゲーム機 PlayStationにもVR版が登場し、技術が進歩するにつれて様々な物がバーチャル化されています。
それはインフルエンサーも決して例外ではなく、バーチャルインフルエンサーと呼ばれる人たちも現れるようになってきました。
今回の記事では、そんなバーチャルインフルエンサーとはいったい誰なのか、そしてインフルエンサーマーケティングを行う上で彼らはどういった役割を持つのかについて検証していきたいと思います!
目次
バーチャルインフルエンサーとは?

バーチャルインフルエンサーは、またの名をCGI(Common Gateway Interface)インフルエンサーとも呼ばれる、人間の現実的な特性、機能、および個性を備えた、コンピューターで作られた架空の「人物」です。
彼らはインフルエンサーマーケティング業界で無視できない存在になりつつあり、日々多くのバーチャルインフルエンサーがインスタグラムなどのSNSに登場し、近未来的なマーケティング手法でオーディエンス(フォロワー)と関係を築こうとしています。
Lil Miquelaの例
近年のバーチャルインフルエンサーの流行は、19歳のアメリカ人インフルエンサーであるLil Miquelaが登場し、インスタグラムで爆発的に人気となった2016年に始まりました。
彼女の登場以降、バーチャルインフルエンサーの注目度は高くなり、世界中でバーチャルインフルエンサーが急激に増加しています。
バーチャルインフルエンサーの仕組み

バーチャルインフルエンサーの裏方には、テクノロジーに長けた顔を見せない企業や個人などのクリエーターがいます。
ソーシャルメディアのプラットフォーム上に作成した仮想人間を世界的にに認められるインフルエンサーになるよう、成長させていくことが彼らの仕事です。
クリエーターは外観や洋服、行動を決めるだけでなく、SNS上で誰と付き合い、誰とデートし、誰と恋に落ち、誰とコラボするかといったことも決めるのです。
彼らの主な収入源はそのコラボ企画といった企業との契約です。
また、クリエーターはSNS上に投稿するコンテンツ(画像)の背景も手掛けます。コンテンツの背景はその場の雰囲気を表現することを手助けするため、極めて大事な作業です。
上のインスタグラムに投稿されたLil Miquelaの例では、彼女の誕生日を友人たちが笑顔で祝福する様子が映し出されています。
バーチャルインフルエンサーを起用するメリット

バーチャルインフルエンサーは今後、AIが進化するのと同時により普及していくと考えられ、様々な企業のインフルエンサーマーケティングに関与するようになると思われます。
時代の先を進み、全く新しいオーディエンスにリーチしたいと考えている企業ほど、バーチャルインフルエンサーについて知っておく必要があります。
バーチャルインフルエンサーを起用するメリットとしては、膨大な数のオーディエンスへリーチすることができる点です。
人間のインフルエンサーと同様で規模によってこのリーチ数は変わりますが、Lil Miquelaのように多くのフォロワーを持つことができれば、上の例のようにたくさんのエンゲージメントを獲得することもできます。
また、一緒に働く企業が得られる柔軟性はもう一つの魅力です。
共にキャンペーンを行うにあたり、企業はバーチャルインフルエンサーをコントロールしやすい点が特徴として挙げられます。
例えば、インフルエンサーへ商品紹介の動画の撮影をお願いしたけど、撮影の段階で商品に関して誤った情報を言ってしまったとします。通常、こうしたミスを犯した場合は、撮影をし直したりしなければならなかったりと、キャンペーンが遅れる可能性さえも浮上してしまいます。
しかし、バーチャルインフルエンサーの場合は、クリエーターが全てを作成・編集することができるため、たった数分でミスを修正することができるのです。
バーチャルインフルエンサーの起用例

起用例①
サムソンは、グローバルな#TeamGalaxyキャンペーンで、キャンペーンのキャッチフレーズである“Do What You Can’t”を具体的に表現するために、Lil Miquelaを起用しました。
登場してから数年で彼女には100万人以上のインスタグラムのフォロワーがつきましたが、同時に誰もが以前は不可能だと思っていたことが、テクノロジーを通じて可能になったことをこのコラボを通じて証明しました。
そして、バーチャルインフルエンサーである彼女とのコラボは、技術的トレンドの認識とキャンペーンのメッセージを仕事に合ったインフルエンサーと組み合わせることで、サムソンのブランドイメージを高めました。
起用例②
フランスの高級ブランドBalmainは、2018年秋に3人の女性バーチャルインフルエンサーを起用したキャンペーンを打ち出しました。
2人のモデルMargot(写真左)とZhi(写真右)はBalmain専属であり、真ん中のShudu Gramは、世界初のデジタルスーパーモデルとして広く知られているフリーエージェントです。
Balmainのキャンペーンでのバーチャルモデルの起用は、消費者やジャーナリストから多くの反応があり、ファッション性の高い洋服に身を包んだ超現実的な仮想人間を作り上げたアーティストに魅了されました。
VTuberとは?

ここまでは海外の例をいくつかご紹介しましたが、次に日本で主流となっているバーチャルインフルエンサーについてご紹介します。
彼らは「バーチャルYouTuber」または「VTuber」と呼ばれ、アニメのキャラクターのように見えるデジタルアバターで描かれています。

VTuberはゲーム実況をしたり、新しいアプリを試してみたり、歌ったり、踊ったり、視聴者とチャットをライブストリーミングをしたりするなど、人間のYouTuberが行うことととても似ています。
モーションキャプチャーや撮影機材をセットアップした人間によってアバターは作られており、彼らの実際の動きと声をアバターが反映しているのです。
アバターの動きのスムーズさは、VTuberによって異なりますが、中にはスムーズなジェスチャーができたり、感情が顔に表れるようにすることができる3Dキャラクターもいます。
これまでのところ、人気のあるバーチャルYouTuberのほとんどは、かわいい女性のアニメのようなキャラクターです。彼らはYouTubeで活躍していますが、そこで人気を博しているものは、現実の世界でライブイベントを開催したり、テレビに出演したりしているのです。
これらのバーチャルタレントは過去数年で急速に増えており、この動きは加速するといわれています。
日本の大企業も関心を寄せるVTuber

そんな人気上昇中のVTuberですが、実際に日本の企業からも関心を寄せられています。
大手総合商社の伊藤忠商事株式会社は、今年4月にVTuber事業を展開するいちから株式会社と資本業務提携を行いました。
伊藤忠商事は「通常のタレントとは異なり、個人の性別、外見等に囚われずに活動することができる上、現実の世界では困難な演出にも挑戦できる等、今後事業開拓の可能性が高い新たなエンターテイメント領域です」とVTuberを評価しており、さらなるバーチャルインフルエンサー界の盛り上がりが見られそうです。
まとめ

今回の記事では、バーチャルインフルエンサーについて、インフルエンサーマーケティングで活用するメリットや実際の起用例と共にご紹介しました。
日本のVTuberも様々な企業から注目されており、今後どういった形でインフルエンサーマーケティングが行われるのか、目が離せません。
企業のプロモーションに新しい風を吹かせるという意味合いでも、バーチャルインフルエンサーを活用してみてはいかがでしょうか?
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