ECサイトで設定すべきKPIは?最大成果を引き出すためのKPIの活用法について解説

ECサイトを運営する際には、数値化と可視化が重要な要素となります。ECサイトでは、ユーザー数や購入数、アクセス数などが売上に大きく影響を与えます。そのため、これらの指標を分析し、改善点を明確にすることが必要です。特に、その中でもKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指数)の把握は必須であり、その活用方法や重要性について、本記事で詳しく解説します。

ECサイトにおけるKPIとは?

KPIは「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指数」を指します。ECサイト運営における重要な目標は売上増加や企業ブランドの認知度向上などがあります。これらの目標達成のためには、具体的な項目を設定し、詳細な目標を立てることが求められます。

目標売上額が決定した際には、KPIを設定し、課題や弱点を抽出し、改善すべき部分を可視化することで、具体的な行動を促進します。つまり、KPIを設定することで、ECサイトの問題点に対して素早く気付き、解決のための行動を起こすことが可能となり、結果として運営の効果を向上させることが可能となります。

ECサイトのKPI選定とは

ECサイトにおいては、KPIの選定は重要なプロセスとなります。多種多様なKPIが存在するため、どの指標を選定するかが重要となります。具体的なKPIについては以下に示します。

売上や利益

売上や利益は、ECサイト運営において最もよく使用される指標です。売上や利益を増加させることで、ECサイトの運営を継続し、会社の収入も増加し、企業の存続に寄与します。売上や利益に関するKPIには以下のようなものがあります。

  • 売上高
  • 顧客単価
  • 訪問者数
  • 購入数
  • CVR(コンバージョン率)
  • LTV(LifeTime Value, 顧客生涯価値)
  • CAC(Customer Acquisition Cost, 顧客獲得費用)
  • 売上総利益

売上高は、一定期間(週間、月間、年間など)における売上の合計で、運営に関わる重要な指標です。

顧客単価は顧客1人当たりの購入金額で、売上高を顧客数で割ることで算出します。顧客単価が高ければ、コンバージョン率が同じでも売上高を増加させることが可能です。

購入数とは、ECサイトにおいて商品が購入された回数です。購入数が多いほど売上も増えます。1人の顧客がリピート購入することで、より売上を伸ばしやすくなるため、顧客のロイヤリティを高めることが重要です。

CVR(コンバージョン率)は、訪問ユーザーのうち、実際に購入に至ったユーザーの割合を示します。CVRを向上させることで売上も増加します。

LTV(LifeTime Value)は、1人の顧客が生涯にわたってもたらす総利益を指します。顧客単価、購入期間、購入回数を掛け合わせることで算出します。

CAC(Customer Acquisition Cost)は、1人の顧客を獲得するために必要な広告費などの費用を指します。広告運営において重要な指標となります。

売上総利益は、売上高から営業経費を引いたものです。商品販売にかかるコストがあるため、売上高全額が利益にはなりません。ただし、人件費や広告宣伝費は含まれません。

これらのKPIは、それぞれ異なる側面の情報を提供し、売上や利益に直接影響を及ぼします。それぞれのKPIを適切に設定し、適時に見直すことが、効果的なECサイト運営に繋がります。

マーケティングの重要業績評価指標(KPI)

マーケティング活動の結果を評価するためには、適切なKPIを確認することが必要です。これには、SEOやEFOなどの最適化手段、広告やダイレクトメールの効果測定が含まれます。マーケティングのKPIには以下のような要素が考えられます。

  • 新規ユーザーとリピーターの割合
  • 滞在時間
  • 直帰率
  • トラフィックソース
  • メールマガジンの購読者数
  • メールの開封率
  • メールのクリック率

新規ユーザーとリピーターの割合は、電子商取引サイトの訪問者数や購入者数の中で新規顧客とリピート顧客の比率を示す指標です。
マーケティング施策は新規顧客の獲得とリピート購入の促進の2つに大別され、その効果を測定し変化を確認することで、マーケティングの方向性を定めやすくなります。

滞在時間は、ユーザーがサイトを訪れてから離れるまでの時間を示します。滞在時間が長ければ、ユーザーがサイトを丁寧に閲覧し購入に至る可能性が高まるなど、多角的な分析が可能となります。

直帰率は、訪問者が特定のページを閲覧せずにサイトを離れる割合を表す指標です。直帰率が高い場合、サイトに改善の余地があると判断でき、課題の特定が必要となります。

トラフィックソースは、ユーザーのサイトへのアクセス経路を示します。自然検索や広告、SNSなどからの流入を確認することができます。例えば、SNSマーケティングに力を入れている場合、Twitterなどの経路からKPIを設定することも可能です。

メールマガジンの購読者数は、メールマガジンの登録者数を示す指標です。コストをかけずに顧客へアプローチでき、キャンペーン情報の配信などにより増加させることも可能です。

メールの開封率とクリック率は、それぞれユーザーが受信メールを開封した割合、及びメール内のリンクをクリックしたユーザーの割合を示します。これらの指標は、ユーザーが活発にメールを利用しているか、タイトルが魅力的であるかなど、様々な要素を分析することが可能となります。

在庫管理の重要業績評価指標(KPI)

在庫管理のKPIは、ECサイトで取り扱う商品の在庫数を適切に管理するための評価指標です。在庫が多すぎても少なすぎても売上に影響を及ぼすため、そのバランスを維持することが重要です。
在庫管理のKPIには以下の項目が考えられます。

  • 過剰在庫
  • 在庫欠品率
  • 在庫保管コスト

過剰在庫は、保有している在庫量を把握するための指標です。数量だけでなく、商品の保管期間や回転率なども合わせて確認し、長期的に売れ残っている商品の見直しを行う必要があります。

在庫欠品率は、商品の注文に対して提供できなかった割合を示す指標です。欠品により対応できなかった注文の比率や、売上全体に占める欠品による損失の比率が高いほど、売上への影響も大きくなります。そのため、この数値を確認し欠品率を抑えることが最適な運用となります。

在庫保管コストは、一定期間の在庫保管にかかる費用を示す指標です。倉庫の維持費や管理費などを基に算出し、その割合を確認することができます。この数値が高い場合は、コスト削減のための対策を検討するべきです。

KPI設定の実践的手法

ECサイト運営におけるKPIの設定は、手法を理解し、適用することが肝要です。3つの主要なポイントを把握し、実行することで、一定の成果を予測することが可能です。
以下に、KPI設定の具体的な手続きを説明します。

KGIを明確にする

KGIとは、Key Goal Indicatorの略で、直訳すると「重要目標達成指数」となります。KPIを設定する前段階として、ECサイトにおけるKGIと深く関連する項目を選定し、定めることが必要となります。
そして、KGIを設定する際のポイントは、数値化可能な指標を選ぶことです。

数値化されないものは、人によって解釈が異なり、結果のズレが生じる可能性があるためです。例えば、売上目標を1,000万円と設定し、現状の売上が500万円であれば、目標達成度は明確に50%と判断できます。このように、KGIは数値で明確に把握できる項目を選定し、取り組んでください。

KGI達成に向けて要素を細分化する

KGIが定まったら、その要素を細分化していきます。例えば、売上をKGIと設定した場合、ECサイトの売上算出要素を細分化することが可能です。具体的には、売上は訪問ユーザー数×CVR×顧客単価で計算されるため、これら3つの要素が重要となります。

これら3つの要素をさらに詳細化すると、訪問者数は新規ユーザー数とリピーター数、CVRは購入ボタンのクリック率とカゴ落ち率、顧客単価は商品単価と購入点数などに分けられます。これらの要素はさらに詳細化可能ですが、それぞれの企業の売上や実績などを考慮し、重要な要素を抽出することが重要です。

どの要素が自社にとって重要かを分析し、細分化していくことが推奨されます。

細分化した要素からKPIを選択する

KGIから要素を細分化したら、その中からKPIを選択します。例えば、ユーザー訪問数が少ないと判断した場合は、広告のクリック率やメールマガジンの購読者数などをKPIとして設定することも可能です。リピーター数が少ない場合は、CVRやLTVなどがKPI候補となるでしょう。

ECサイトの運営状況に応じてKPIの優先順位をつけることが重要ですが、KPIの数が多すぎると測定作業に支障をきたすことがありますので、適切な数に絞ることを推奨します。

ECサイトにおけるレポーティングとKPIの可視化手法

ECサイトにおいては、KPIの設定だけでなく、そのレポーティングと可視化も重要な業務となります。KPIを設定したとしても、レポーティングや可視化を行わなければ、詳細な内容を把握し、運営の改善点を特定することが困難となります。ECサイトのレポーティングや可視化を行う際は、各種分析ツールを活用することをお勧めします。以下に、主要なツールについて説明します。

ダッシュボードはデータ分析業務の効率化を支援します。購買データやアクセス解析の時間を大幅に削減し、施策の効果を常時データで分析することが可能になります。その結果、コスト効果を迅速に把握し、データに基づいた施策を実行することで最適な意思決定を行うことができます。

レポート作成ツールは、KPIのツリーを作成することができます。これにより、設定した各項目がどのように関連しているのかを確認することができます。ツリーによる連動性の分析によって、改善すべき領域を迅速に把握することができます。

CRMツールは、ECサイトを利用した顧客情報や購入履歴を管理するためのツールです。顧客情報を分析し、データを活用することで、改善施策に役立てることができます。

アクセス解析ツールは、ユーザーの属性や購入率、行動を分析するためのツールです。有料や無料で利用できるソフトウェアがあり、解析を行うことで貴重な情報を得ることができます。

これらのツールを活用することで、ECサイトのレポーティングや可視化を行い、運営の改善に役立てることができます。是非、ご検討ください。

最大成果を引き出すためのKPIの活用法

ECサイトにおけるKPIの活用は、売上向上やブランド価値の強化に寄与します。しかしながら、ビジネス成果を最大化するためには、適切なアプローチ方法を理解し、それを活用することが欠かせません。以下にいくつかの重要な活用方法を示します。

目標達成期限の設定

KPIを設定する際は、目標達成に必要な期限を明示することが推奨されます。長期にわたる戦略では、情報の古さがネックになり、設定したKPIが時代遅れになり、成果を出さなくなる可能性があります。
また、ユーザーの属性やECサイトの運営方針は時間と共に変化するため、あまりにも長期的な設定よりは、短期間で目標を達成することを目指すべきです。

検証を行う期間も明確に設定し、具体的な方針を決めておくことで、KPI達成に向けた効果を定量的に測定し、必要な改善を行うことが可能になります。さらに、季節によるデータの変動もあるため、適宜データの取り扱いを見直すなど、使用するデータをしっかりと管理することが必要です。

ECサイトにおけるデータ分析の徹底

ECサイトのKPIを達成するためには、データ分析を徹底的に行うことが欠かせません。顧客情報の分析や流入元の分析により、どの顧客が頻繁に商品を購入しているのか、どのメディアからアクセスが多いのかを把握できます。

様々な視点からのデータ分析が可能になれば、戦略立案や改善箇所の特定も容易になり、適切な対策を立てることができます。ECサイトは定期的に分析を行い、顧客や在庫、マーケティングの見直しを行うことで、売上の落ち込みやユーザーの離脱を防ぎましょう。さらに効率的な分析を行いたい場合は、ツールを活用し、新たなKPI設定の項目を見つけることも可能です。ECサイトの分析は定期的に行い、問題を解決する方向で取り組みましょう。

ユーザーエクスペリエンスの向上とコンテンツの最適化

ECサイトでのKPI設定においては、ユーザーエクスペリエンスの向上も重要なポイントとなります。ユーザーエクスペリエンスは、商品の使用結果や体験談を指し、これは直接ユーザー満足度に影響します。サイトの満足度が低ければ、ユーザーの離脱率が増加し、運営に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、コンテンツ最適化としてサイトのデザインを見やすくし、動作を軽快にするなど、ユーザーフレンドリーなサイト作りを目指す必要があります。さらに、SEO対策として、適切なキーワードの選定、SNSボタンの設置、サイトマップとの連携を行い、検索結果でのランキング向上に努めることも重要です。
これらのコンテンツ最適化は実行し、その結果を確認することが必要です。

ECサイトのKPI成果の評価方法と定期的な見直し

ECサイト運営においては、KPI成果の評価方法を設定し、定期的に見直しを行うことが求められます。特に重要なポイントとしては、アクセス数の多いページの把握、アクセスデバイスの確認、そしてアクセス数とCVRのバランスの管理があります。

アクセス数が多いページを特定することで、ユーザーニーズや効果的なアプローチ方法が明確になり、全体のパフォーマンス向上につながります。また、PCとスマホ、どちらからのアクセスが多いか把握することで適切な対応を行い、アクセス数とCVRのバランスを見ることは売上に直結します。これらを定期的に見直すことで、KPI達成がスムーズに進むでしょう。

【まとめ】自社に適したECサイトのKPIを設定しよう

ECサイト運営では、KPIの設定は極めて重要な要素です。目標とする項目は、自社の方針や状況により異なります。適切に分析し、KPI設定を行い、ECサイトの運営を効果的に行えるように努めましょう。以上が成果を最大化するためのKPI活用法についての解説です。これらを参考に、自社のECサイト運営をより一層強化していくことを願っています。

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