
美容業界ではインフルエンサーが影響大

2020年の時点でSNSを使用している人は、8割近いというデータもあるほど人々の生活に深く関わているSNS。多くの人がスマホやタブレットなどデジタル機器を持つ情報時代になった現代では、マーケティングの方法も変わりつつあります。
特に競合相手が多く、ターゲットが幅広い美容業界では、多くの人が利用しているSNSを使用した販促活動に力を入れている企業が増えてきているのです。その中でも注目されているのがSNS上での影響力が大きいインフルエンサーの力を借りた、インフルエンサーマーケティングです。
美容業界向けにインフルエンサーマーケティングについてのイベントが開催されるほど重用されつつあります。
SNSリサーチによって商品を選ぶ時代

コスメや健康商品を選ぶ際に何を参考にしますかという質問に、従来の雑誌やネットの広告以外に、SNSを見て決めると答える人が増えています。商品を選ぶ際にInstagramやTwitterで検索してから決めることをSNSリサーチと呼ぶぐらい、若い世代を中心に広まりつつある新しい買い物の仕方です。
ではSNSリサーチで選ぶ若い世代は何を基準にしてコスメや化粧品を選ぶのでしょうか。
その基準とは、InstagramやTwitterのフォロワー数が多く人気のあるインフルエンサーの方々からの情報です。特に美容品はSNS映えすることから、インフルエンサーの方も取り上げることも多いので、参考にしやすい商品の一つです。
消費者が美容系インフルエンサーを参考にする理由

それでは何故消費者は、企業が出している広告ではなく、人気のある美容系インフルエンサーからの発信を参考に購入を考えるのでしょうか。インフルエンサーを参考にする消費者側の心理を考えてみましょう。
実際に使ったイメージがしやすい
美容品は、「自分に合うか、合わないか」が大きく分かれる商品の一つです。そのため消費者は広告を見ても、素敵だけど自分に合うのか、広告のモデルの人がもともとキレイだからではないのかなどと悩んだり不安に思ったりします。
しかしインフルエンサーによる発信は、人気インフルエンサーとはいえ、自分と同じ一般の方であるインフルエンサーが実際に試し、その効果を発信していることが多いのです。そのためテレビCMなどの宣伝・広告よりも、自分が使ったときのイメージが湧きやすくなっています。
また、人気のあるインフルエンサーの中には効果や感想だけではなく、どのように使うと良いかなど、実際に使う時に気になることも発信している場合があります。これらの情報によって初めて、美容品の購入につながりやすい心理になるのです。
トレンドがわかりやすい
女性ターゲットが多い美容業界にとって、流行やトレンドに乗れるか乗れないかは、成功の大きな分岐点になります。多くの女性が、トレンドの美容アイテムに興味を示す傾向があるからです。
SNSでは、「いいね」やリツイート数などを見れば、その投稿がどれだけ多くの人が興味を示しているかが一目でわかります。SNSで人気が出たコスメは「バズりコスメ」と呼ばれ、特集が組まれるほど注目を集めます。
このように、CMや広告に比べるとかなり速いスピードでトレンドを発信できるインフルエンサーの投稿は、「トレンドの物がいち早くほしい」と思っている流行に敏感な消費者たちの心理を掻き立てるのです。
憧れの人を目指せる
そもそも、インフルエンサーをフォローしている方は、インフルエンサーの方を素敵だと思ってフォローしていることが多いでしょう。
自分が「素敵だと思うような人に近づきたい」と思うのは自然な感情です。そんな憧れの人が使っている美容品を使ったら、少しでも自分も素敵になれるかもしれないと期待し、購入を決めるというパターンは少なくありません。
そういったことから、SNS上で日常風景も垣間見える憧れのインフルエンサーの投稿を使ったインフルエンサーマーケティングは通常のCM等に比べ効果的となるのです。

美容系インフルエンサーを頼むときの注意点

美容業界では、インフルエンサーマーケティングがかなり効果的であることは、いち消費者の視点からご理解いただけたかと存じます。
しかし、人気のある美容系インフルエンサーにただ仕事を頼めばよいというものではありません。自分のブランドイメージと違ったり、商品のターゲットとフォロワーの層が違ったりしますと逆効果になってしまう場合もあるからです。
では、どのようなことに気を付けて人気のある美容系インフルエンサーに依頼すればよいのでしょうか。
次にご紹介させていただきます。
美容系インフルエンサーはかなりの人数がいる
美容系を専門にしているインフルエンサーにはかなりの人数がいます。たくさんのインフルエンサーから選べるのをメリットと考える方もいらっしゃるかもしれません。がしかし、実はそこに大きな落とし穴が存在するのです。
美容系インフルエンサーが多いということは、選択肢が多いということです。その中から自分のブランドやターゲットに合ったインフルエンサーを探すのは至難の業です。いい方を見つけても競合他社とすでに契約中といった場合もあります。
インフルエンサーマーケティングを始めようとしている企業が、自社でインフルエンサーを探そうとするのは、森の中から一本の木を探すようなものでしょう。
競争が激しくて埋もれてしまいがち
インフルエンサーマーケティングが盛んな美容業界では、SNS上での競争もかなり激しいものになっています。いかに自社のブランドの個性を出すかに力を入れなければ、情報を発信してもすぐに埋もれてしまうでしょう。
情報の消費速度が速くなっていると言われているSNS時代。人気のあるインフルエンサーでも、ありきたりな企画を続けているとあっという間にファンは飽きて離れていってしまうのです。
一時的にでも消費者を増やすために、クーポン配布やプレゼント企画をしている企業も多いですが、そう容易にはブランドのファンにはなってはくれません。
いかに自分のブランドをアピールできる個性的な企画を構築できるかが、美容系インフルエンサーマーケティングの肝になります。そんな企画を一緒に作っていけるようなインフルエンサーとの信頼関係も大事でしょう。
不用意な発言で炎上する危険性
インフルエンサーマーケティングは、情報の拡散速度が魅力的な販促活動です。しかし拡散されるのが良い情報だけとは限りません。良くない情報の方が拡散される速度は早いので、インフルエンサーのちょっとした発言があっという間に炎上騒ぎにつながった次のようなケースもありました。
ある企業が自社化粧品についてのマーケティングをお願いしたインフルエンサーが、以前の投稿でその企業の化粧品をあまり好ましくなく評していたのがフォロワーに知られてしまい大炎上したケースです。このように、炎上騒ぎになってしまうと企業イメージに傷がつくのはもちろん、時には不買運動にまで発展する場合もなくはないでしょう。
一方、化粧品や健康商品をお取扱いになっている企業は特に気を付ける必要があります。ご存知のように、化粧品や健康商品の多くは、薬事法により誇張した表現を禁止されています。
薬事法をしっかりと理解してPRをしなくては、法律に抵触してしまう可能性もあるのです。
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