ECサイトの構築を検討されている方々は、どのように制作すべきかという問題に直面することも少なくないでしょう。確かに、ECサイトの作成は専門業者に依頼する方法も存在しますが、それには相応の費用が必要となります。そこで、自身で作成を行う選択をする方々も多く見受けられます。
現在の技術状況を見てみると、WordPressを用いれば容易にECサイトの構築が可能となっています。しかしながら、WordPressによるECサイト構築のメリットや選定のポイント、また、推奨されるテーマ等について詳しく知りたいと考えている方々も存在するでしょう。以下ではその詳細について述べてまいります。
目次
WordPressを活用したECサイト構築のメリットとは？
ECサイトの構築に際して、WordPressを活用することで得られるメリットは何かという点を把握しておくことは極めて重要です。それについて具体的に解説してまいります。
初期投資や運用コストを抑制することが可能
ECサイトをWordPressを活用して構築する場合、コスト面での負担を軽減することが可能です。WordPressは基本的に無料で利用可能で、実際に必要となる費用はサーバーやドメインのコストのみとなります。さらに、EC機能を追加する場合でもプラグインが無料で利用可能であり、追加のコストは必要となりません。
一方で、ECパッケージを用いてサイト構築を行うと数十万円から数百万円もの費用が発生する可能性があります。また、ASPカートを利用する場合、毎月の利用料金が発生しますので、ECサイトの運営を続けるためにも、それらの費用を考慮に入れる必要があります。費用を抑制しながらサイト運営を行いたい場合、WordPressから構築するという選択は資金的なハードルを低く抑え、積極的に検討できる選択肢となるでしょう。
プラグインによる機能拡張が可能
WordPressではプラグインを利用することで、機能の拡張が可能です。プラグインは、ECサイトにおける支払い処理やフォームの操作など、機能面の充実を図ることができます。これにより、より個性的で使い易いサイトの構築が可能となります。一方、ASPカートの場合、機能拡張はなかなか難しいとされています。そのため、特定の機能や効果をサイトに追加することが難しい状況も生じます。しかし、WordPressを使用すれば、そのようなカスタマイズも容易に行え、オリジナリティ溢れるサイトの制作が可能となります。
SEO対策を施すことが可能
WordPressを用いてECサイトを作成する際には、SEO対策を行うことも可能です。SEO対策は、検索エンジンでのランキングを上げるために重要な要素であり、ユーザーに自身のサイトを認識してもらうために必要となります。自身でサイトを作成し、SEO対策を施すことは専門的な知識と技術を必要としますが、WordPressの場合、ある程度の最適化が内部構造に組み込まれています。そのため、特殊な技術を持たない方でも集客力を期待することができます。さらに、容易にコンテンツを作成することが可能なため、商品の使用方法やレビューなどを公開し、ECサイトの集客力を強化する計画を立てることもできます。
日本語対応かつ無料のWordPressテーマが利用可能
WordPressには日本語に対応し、かつ無料で利用できるテーマが豊富にあります。テーマはサイトのデザインを決定する要素であり、ECサイトにおいてはその重要性は高いです。ネットショップ向けのテーマも多く提供されているため、ダウンロードして使用することが可能です。ただし、有料版のテーマを使用する場合には費用が発生し、海外版の場合には英語表記で理解が困難な場合もあります。しかし、WordPressには無料で、かつ日本語対応のテーマも多数存在しているため、自分の好みに合わせて選択することができます。例えば、「Fukasawa」、「Proteo」、「Market」など、ECサイト対応の無料テーマが存在し、サイト作成時にこれらを活用することが可能です。初心者であり、費用対策も考慮する場合には、無料テーマの使用を検討してみてはいかがでしょうか。
テーマのインストールと設定方法
ECサイトの作成を考えているなら、WordPressを利用し、テーマのインストールと設定方法を理解しておくことが重要です。サイト作成をスムーズに進めるためのポイントについて以下に詳述します。
まず、WordPress内に登録されているテーマから設定する手順についてです。WordPress内に登録されているテーマを使用する場合、まずメニューから「外観」→「テーマ」をクリックします。そこで「新規追加」を選択すると、WordPress内に存在する多くのテーマが表示されます。
上部のメニューから「人気」「最新」などのカテゴリー別にテーマを検索することも可能です。気に入ったテーマを見つけたら、カーソルを当てて「プレビュー」からその雰囲気を確認しましょう。希望のテーマデザインであれば、左上に「インストール」と表示されているため、そのテーマをインストールします。「インストール済み」と表示されれば、最後に「有効化」をクリックして反映させましょう。これでWordPressでのテーマの設定が完了します。
外部テーマのインストール手順
WordPressに登録されていない外部のテーマを利用したい場合は、まず該当テーマの公式サイトにアクセスします。その後「テーマのダウンロード」ボタンをクリックし、テーマをパソコンにダウンロードします。
次にWordPressにログインし、「外観」→「テーマ」を選択します。上部の「新規追加」ページにある「テーマをアップロード」をクリックし、ダウンロードしたテーマファイルを選択してアップロードします。その後、「有効化」をクリックして反映させることができます。テーマを利用するにはダウンロードが必要なので、その点に留意しましょう。
カスタマイズの要点
WordPressでは、機能面を拡張するためのカスタマイズが可能です。カスタマイズの方法は多岐にわたりますが、手軽な方法の一つとしてプラグインの利用が挙げられます。
WordPressの左側のメニューから「プラグイン」を選択します。プラグインの検索窓にダウンロードしたいプラグインの名前を入力し、詳細情報を確認した後、「今すぐインストール」ボタンをクリックします。
その後、「有効化」を選択することで、プラグインをサイトに反映させ、新たな機能を追加することが可能となります。ECサイトに機能を追加したい場合、迅速かつ容易に実現できるため、多くのプラグインを試してみることを推奨します。
また、HTMLやCSSなどの知識がある場合は、テーマ内のファイルにアクセスしてコードを追加することで、機能の実装も可能です。ただし、コードを入力する際に元の記述を誤って削除してしまうと、機能が正常に動作せず、問題を引き起こす可能性があります。そのため、このような知識がない方はプラグインを利用して機能の追加を行う方が、安全でかつ手軽です。どうぞ活用してみてください。
無料で利用可能な日本語対応WordPress ECサイトテーマの特性と選定方法
WordPressを用いてECサイトを運営する際には、テーマの特性と選定方法を理解しておくことが求められます。既に触れた通り、英語表記や有料設定のテーマも存在しますので、慎重に選択することが大切です。
日本語表記でなければ内容が把握しづらく、適切にサイトに反映できないこともありますし、有料版の場合は経費が増大する可能性があります。どのような特性を基準に選ぶべきか、以下で主要なポイントをご紹介します。
SEO対策が実施されているかを確認
WordPressの無料テーマを使用する場合、SEO対策が適切に行われているかを確認することが重要です。先程述べたように、SEO対策により検索順位が向上し、自身のECサイトがより多くのユーザーに認知される可能性が高まります。
WordPress自体には一定のSEO対策機能が搭載されていて、プラグインもこれを補完しますので、自身でサイトを作成するよりも効率的に検索順位を上げることが可能です。しかしながら、テーマの選択も重要であり、すべてのテーマが問題ないわけではありません。
選んだテーマとプラグインの相性が悪ければ、サイトの動作に不具合を引き起こすことがありますし、それが検索順位の向上を阻害することもあります。また、選択したテーマ次第では、表示速度の改善やディスクリプションの設定も容易に行え、プラグインの使用が不要なケースもあります。検索順位を高めることで訪問者数も増加し、利益を増大させる可能性があるため、SEO対策の観点から選択を行うことが重要です。
レスポンシブデザイン対応のテーマを選定
テーマ選択にあたっては、レスポンシブデザインに対応しているかどうかの確認も重要なポイントとなります。ECサイトを利用するユーザーは、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからのアクセスも多いです。
そのため、パソコン画面にのみ最適化されていると、スマートフォンやタブレットでの閲覧時に画面が見づらくなり、ユーザーがサイトから離れてしまうことで、購入行動が阻害されてしまう可能性があります。どのデバイスや環境でも、ユーザーが使いやすい画面表示を提供することが大切です。従って、無料テーマを選択する際も、レスポンシブデザイン対応に注意しながら選ぶことが推奨されます。
カスタマイズの容易性を確認する
WordPressによるECサイト構築の際は、カスタマイズの容易性も検討要素となります。カスタマイズ性が高いテーマは、PHPやHTML等のコード記述の手間を省くことができ、サイトレイアウトの調整が容易になります。また、カスタマイズが容易なテーマでは、レイアウトの種類を選択するだけで、サイズ変更や移動も可能で、視覚的なデザインに基づいたサイト構築も行えます。反対に、カスタマイズが難しいテーマを選んだ場合、それには知識や高度なスキルが求められ、サイト最適化が困難になることがあります。その結果、ユーザーへの魅力が十分に伝わらない可能性も考えられます。従って、カスタマイズの容易性も確認しつつテーマを選定することが重要です。
日本の決済システムへの対応を確認する
また、WordPressによるECサイト構築に際しては、日本の決済システムへの対応も重要な検討点となります。ECサイトを運営する上で、多様な決済システムへの対応はユーザーにスムーズな支払い体験を提供し、リピート顧客を増やす手助けとなります。現在では、クレジットカード、銀行振込み、電子マネー等、多様な決済方法が存在します。そのため、選定したテーマがどの程度の決済システムに対応しているかを確認することが必要です。もし対応している決済方法が限られている場合、ユーザーの選択肢が狭まり、利便性が損なわれ、運営が円滑に進行しない可能性もあります。さらに、日本の決済システムに対応していないテーマでは、意味がありません。従って、その点も確認し、テーマを選定することが重要です。
レビューや評価を参照する
ECサイト用のテーマ選択の際には、レビューや評価を参考にすることも有益です。テーマの数は膨大であり、自分の要件に適合するものを選ぶのは難しい場合もあります。他の利用者のレビューや評価を見ることで、テーマの機能性について把握することが可能です。
良好な評価を得ていて、多くの肯定的なレビューが存在するテーマは、ECサイトとしての実装が容易であり、試用する価値があるといえるでしょう。例えば、WelthemesやEGOなどのテーマが高い評価を得ています。
EGOは企業向けのテーマであり、日本のユーザーにとって親しみやすいレイアウトを持っています。使いやすく、オンラインショッピングサイトに最適です。一方、Welthemesは有料ですが、個人ユーザーにも広く利用されており、高い評価を得ています。迷った場合は、レビューや評価を確認してみてください。
おすすめの無料WordPressテーマの紹介
WordPressを利用してECサイトを構築する際には、無料のテーマ選択が重要です。どのようなおすすめのテーマがあるのか、それぞれの特徴を理解することで、自分のニーズに合っているか確認することができます。以下に、いくつかのおすすめのテーマを紹介します。
Marketの特徴と使用例
Marketは、越境ECサイト向けの無料テーマで、無料版でもWooCommerceとの連携が可能であり、レスポンシブデザインによるモバイル対応も行えます。そのため、スマホ対策をしっかりと行うことができます。
また、カスタマイズ機能も充実しており、CSSやHTMLの知識がなくてもサイトの実装が可能です。初心者でも直感的に利用できる一方で、デザインはシンプルになっており、より高度な機能を使用したい場合には有料版への切り替えが必要となります。なお、英語版となっているため、翻訳して利用する必要があります。
EGOの特徴と使用例
EGOはECサイト向けのテーマであり、WordPressのテーマラインナップの中でもお洒落な実装が可能です。機能面ではスタイリッシュで使いやすく、ショッピングカートのプラグインとしてはWooCommerceやWelcartにも対応しています。そのため、ECサイト運営に活用することができます。
ただし、WooCommerceかWelcartをテーマを購入する際に選択する必要があり、費用もかかります。無料版はデモ版のみであり、実際の使用感を確認してから有料版へ移行する必要があります。
Cocoonの特徴と使用例
Cocoonは内部SEO対策済みの無料テーマであり、日本語にも対応しています。内部構造によるSEO対策が行われており、AMPにも対応しています。そのため、コンテンツを作成する際に利用することができます。プラグインによるカスタマイズも容易ですが、Cocoonは主にブログに特化したテーマとなっており、ECサイトの場合は機能面である程度のカスタマイズが必要です。初心者の場合、ECサイトの構築には時間がかかることも予想されます。
【まとめ】wordpressでecサイトを作成するときに使用可能な無料の日本語テーマについて
ECサイト構築のためにWordPressを使用することも可能です。ECサイト構築の際には、WordPressテーマの選択が重要であり、特にカスタマイズの範囲、決済システムの対応性、レスポンシブデザインの対応などを確認しておくことが重要です。また、日本語対応のテーマは内容を理解しやすいため、おすすめです。適切なテーマの選択により、理想のECサイトを構築することが容易になります。初心者の方はぜひ、これらのポイントを検討してみてください。
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