Shopifyのアナリティクスとは?分析可能な指標についても解説

Shopifyでオンラインストアを開設した際、売上拡大のためのデータ分析が必要になることでしょう。実は、Shopifyには外部のアナリティクスツールを必要とせず、独自のストア分析機能が標準装備されています。Googleアナリティクス等の外部ツールを組み込む必要がなく、手間なく利用開始でき、その高機能性と多機能性が評価されています。本記事では、「Shopifyでの分析手法は?」、「分析結果からどのように改善すべきか?」といった疑問を持つ方へ、「Shopifyストア分析」機能と具体的なストア改善策を詳細に解説します。

Shopifyアナリティクスとは

Shopifyのアナリティクスは、「Shopifyストア分析」と呼ばれる機能を指します。サブスクリプションサービスであるShopifyでは現在、「Shopify Lite」「スターター/ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」「Shopify Plus」の5つの課金プランを用意しています。それぞれのプランで利用可能な機能の範囲は異なりますが、どのプランでも分析機能を利用できる点がShopifyの魅力の一つです。利用可能な分析機能は大きく分けて「ストア分析」、「レポート」、「ライブビュー」の3つ存在します。それぞれの機能について詳しく説明します。

ストア分析

「ストア分析」は全プランで利用可能な機能です。この機能を使用すると、ダッシュボード上で売上総計、注文数、トラフィック等、売上に関連する主要なデータを確認することができます。平均注文金額やカテゴリー別のトップ商品、リピーターの割合やユーザーのアクセス経路などの情報も網羅しています。見やすいグラフ形式で可視化されているため、分析初心者でも理解しやすいです。さらに、全ての販売チャネルにおける日別売上を一括で確認でき、業績管理に大いに役立ちます。

レポート

利用プランにより利用範囲が異なりますが、Shopifyのレポート機能を用いればさまざざまな情報を表示できます。「財務」「製品分析」「集客」「在庫」「行動」「マーケティング」「注文」「売上」「POS売上」「利益」「顧客」「カスタム」の12種類のレポートが用意されており、多角的な分析をサポートします。以下に、各種レポートの内容と各プランで利用できるレポートの一覧を掲載します(2023年5月現在)。

ライブビュー

ライブビューでは、ストアのアクティビティをリアルタイムで確認することが可能です。画面右側には数値が、中央には2次元の世界地図や3次元の地球儀が表示されます。この機能を利用することで、オンラインストアの動向や売上をリアルタイムでモニタリングすることができます。特にセール期間やマーケティング施策の直後など、結果を迅速に把握したい場合に便利です。

Shopifyアナリティクスの設定方法

「ストア分析」機能は、特別な設定を必要とせず、Shopifyでストア運営をしている方なら誰でも利用できます。まず、Shopifyにログインし、左側のサイドメニューから「ストア分析」を選択します。その後、「ダッシュボード」「レポート」「ライブビュー」の中から、確認したい項目を選びます。

「ダッシュボード」を選択すると、アクセス数、販売数、CVRなど、ストア分析の主要情報が表示されます。さらに、ダッシュボード左上の「今日」と表示されたボタンをクリックすると、カレンダーが表示され、日付や表示期間を指定することができます。特定の期間との比較も可能なので、より詳細なデータ分析が可能です。

また、各項目の右上にある「レポートを表示」をクリックすると、その項目に関連するレポートにアクセスできます。各レポート画面では、絞り込みや表示項目の調整が可能で、必要な情報だけをカスタマイズして表示することが可能です。「絞り込みを管理」ボタンをクリックして必要な情報に絞り込み、また「列を編集」ボタンを使用して表示項目を選択しましょう。不要な項目はチェックマークを外してください。必要な項目のみを見やすく表示することで、分析の効率化が可能となります。加えて、レポートはCSVファイルとしてエクスポートすることも可能なため、必要に応じてダウンロードして活用することができます。

Shopifyアナリティクスで分析可能な指標

Shopifyのストア分析ツールでは、多岐にわたる情報が得られますが、「結局どれを参照すれば良いのかわからない」という方もいるかもしれません。ここでは、特に注目すべき指標をご紹介します。

ストア運営に必要な基本的なデータは、ダッシュボードにまとめられています。まず、主要なKPI(重要業績評価指標)を把握しましょう。売上は「販売合計」から確認できます。日別や年間など、単位を変えて追跡することで、ストアの規模を客観的に把握し、成長を評価することができます。「オンラインストアのセッションの合計」からは、セッション数と訪問者数を確認できます。これらは、オンラインストアの集客状況を測るための基本的な指標です。この数値が増加することは、認知度の向上を表しているとも言えます。

次に、「オンラインストアのコンバージョン率」からCVR(コンバージョン率)を確認しましょう。CVRが高ければ、適切なターゲットに対して適切な商品訴求が行われているということで、理想的な状態と言えます。訪問者数が多くてもCVRが低い場合は、サイトの構造やターゲット設定の改善が必要かもしれません。「平均注文金額」は顧客単価を示す指標であり、まとめ買いなど効率的な売り方に関連します。「リピーター率」は商品に満足した顧客の数を示す指標であり、売上拡大に貢献する重要な数値です。

これらの数値は、特定の期間を指定すれば前月や前年との比較も可能です。その機能を活用して現状の把握や改善に取り組んでみてください。

Shopifyアナリティクスの活用に際する注意点

Shopifyの分析機能はビジネス運営に非常に便利なツールですが、使用する際にはいくつか留意すべきポイントが存在します。

データ更新タイミングの理解

一部のデータはリアルタイムで追跡可能なライブビューや即座に反映されますが、全てのデータがリアルタイムで更新されるわけではありません。特定のデータには更新タイムラグが存在し、最大で半日から2日程度遅れて表示されることもあります。従って、レポートを確認する際には、更新日時を確認し、最新のデータであることを忘れずに確認することが重要です。

データの不一致

Shopifyのストア分析機能を単独で利用している場合には特に問題はありませんが、外部ツールとの併用時には、数値の不一致が生じることがあります。これは、Shopifyのデータが独自の定義に基づいて計算されているためです。セッションなどの指標はツールによって定義が異なる可能性があるため、データの不一致が生じることを理解しておく必要があります。

複数チャネルの一元管理

Amazonなど、Shopify以外の複数のチャネルでストアを運営している場合、Shopifyのストア分析は必ずしも最適ではないかもしれません。Shopifyでは、ShopifyとPOSのデータのみが表示され、他のモールの売上や在庫データとの一元管理は難しいです。複数のツールを使用すると、管理や分析が複雑化する可能性があります。そのような場合には、外部ツールを連携させてデータを一元的に管理することが効率的です。

プライバシーポリシーの見直し

ストア分析ではクッキー情報が不可欠です。クッキー情報を含むプライバシーポリシーを「規約ページ」に掲載しているかどうかの確認は、非常に重要です。一般的な定型文テンプレートでは、クッキーを含む個人情報に関する必要な項目が多く含まれています。何らかの記載が欠けている場合には、Shopifyの左側のサイドメニューから「オンラインストア」を選択し、「法務関連」をクリックしてプライバシーポリシーを編集することが可能です。必要な情報の確認と追加を適切に行いましょう。

解析データの活用方法

Shopifyのストア分析ページで得られるデータは、ストア運営の改善に貴重な示唆を含んでいます。ここでは、どの情報に目を向け、どのような改善を実施すべきかについて、データ活用の手法を紹介します。

指標を元にした売上改善の検討

ダッシュボードで見えるさまざまな指標をもとに、サイト改善の方向性を模索してみてください。例えば、セッション数は多いのに対し、CVR(コンバージョン率)が低下している場合、購入プロセスの再評価が求められます。商品ページにて必要な情報が適切に提供されているか、また、情報の魅力度や充実度を再度見直すことが重要です。ユーザーレビューの追加や、商品画像の追加等を行うことで、CVRの向上につながる可能性があります。決済プロセスが長過ぎて購入が途中で中断されている場合、サイト構造の見直しが必要です。Shopifyでは、カート放棄を促す自動メール送信機能も提供されているので、活用してみてください。

売上向上のためには、サイト改善以外の手段も検討しましょう。リピーター率が低下している場合、リピーター限定のクーポンやプレゼント等のキャンペーンを実施し、再購入を奨励することも考えられます。セッション数が低下している場合、人気商品に広告を出す等の効果的な広告展開で認知拡大を図ることも一考です。キャンペーン実施後には、数値の推移を追跡し、その効果を測定することが大切です。以上の手法を活用し、Shopifyの分析データをもとに売上改善に取り組んでください。

行動レポートを活用したサイト構成改善

サイトの改善には、「行動レポート」が有効です。このレポートには、ストア内のユーザー行動に関する情報がまとめられています。具体的には、ユーザーが入力した上位キーワードや、「結果の得られない上位オンラインストア検索」等の情報が見えます。これらの情報は、ユーザーがストアで何を求め、どのようなニーズがあるのかを把握するのに役立ちます。

例えば、検索数が多いキーワードに関連した商品への需要があると考えられますので、それらの商品をトップページに表示する等の改善を考えることができます。ユーザーが容易に辿り着けるように、商品情報やストアの構成を整理することで、売上向上に繋がるでしょう。

また、「デバイス別セッション」という項目では、デスクトップ、スマートフォン、タブレットなど、どのデバイスからのアクセスが多いかを確認できます。一般的にはスマートフォンからのアクセスが増えていますが、ストアごとに状況は異なるため、自社の場合を確認しましょう。スマートフォンからのアクセスが多い場合は、ボタンの配置や文字の大きさなど、スマートフォン利用時の使いやすさに配慮したテーマ選択を再確認してください。

さらに、「ランディングページ別のセッション」では、ユーザーが最初に訪れるページが確認できます。特にセッション数が多いページへの改善に注力することで、売上支援をより効果的に行うことが可能です。

以上の方法を活用して、行動レポートから得られる情報を参考にして、サイト構成の改善に取り組んでください。

マーケティングレポートによる集客改善

Shopifyストア運営で集客が課題となる場合、マーケティングレポートを活用し、集客状況の理解と改善を行うことが可能です。特に、「参照元とインタラクション」のレポートは有効です。このレポートでは、ユーザーがどこから訪れて購入に至ったのかを確認することができます。検索エンジンやソーシャルメディアなど、どのチャネルからの流入が多いかを確認しましょう。

例えば、Facebookからの流入が多い場合、投稿頻度の増加やコンテンツの充実によって、より多くの流入を見込むことができます。一方、メールからの流入が少ない場合は、メールマガジンの内容や構成が適切でない可能性がありますので、その見直しが必要となるかもしれません。より詳細な流入源を特定したい場合は、Urchin Tracking Module(UTM)キャンペーンを利用すると効果的です。パラメータを作成し、投稿やメールのリンクの末尾に追加することで、特定のキャンペーンごとに流入源を詳細に追跡することが可能です。

「マーケティングによる売上」レポートでは、キャンペーンごとの売上を把握でき、改善に向けた具体的な策定を支援します。また、マーケティングレポートでは注文数や注文金額も表示されます。購入単価が高いユーザーの流入元を把握することも可能であり、売上を増加させるためのマーケティング策を検討しやすくなります。

以上の方法を活用し、マーケティングレポートから得られる情報を基に、集客の改善に努めてください。

【まとめ】Shopifyのアナリティクス機能を用いて売上向上を実現しましょう

この記事では、Shopifyのアナリティクス機能である「ストア分析」を紹介しました。ストア分析は基本的なデータを網羅しており、Google Analyticsなどの外部ツールを使用せずとも売上向上のための分析が可能です。Shopifyの特徴の一つは、豊富な分析ツールがプランに含まれていることです。

ただし、プランによって利用可能な機能が異なるため、注意が必要です。また、複数のチャネルでオンラインショップを運営している場合も、いくつかの注意点があります。それでも、設定不要で容易に利用可能な標準機能であるため、Shopifyでストアを運営している方は、ぜひ一度ストア分析を試してみることをお勧めします。

ストア分析を通じて、自身のビジネスパフォーマンスを理解し、具体的な改善アクションを実行することができます。売上向上や集客改善などの課題を解決するために、shopifyアナリティクス機能を活用しましょう。

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