ECサイト構築にかかる費用について各サービスの比較とポイントを解説

「ECサイトの構築にいくらの費用が必要か？」

「費用を比較して、自社に最適なサービスを選択したい」

ECサイトの構築に必要な費用の相場が明確でなく、お困りではありませんか？ECサイト構築に関わる費用はやや複雑であり、サービスにより費用は大きく異なります。

何も調査せずにECサイトを立ち上げると、予想以上の費用が発生し、運営が困難になる場合もあります。そこで、この記事では、ECサイト構築に関わる費用の種類と相場を詳細にまとめました。この記事を参照いただくことで、予算との大きな乖離なく、安定したサイト運営を行うことが可能となるでしょう。

1 ECサイト構築に必要な費用の種類と相場
2 ECサイト構築における費用比較の重要性
3 ECサイト構築の費用比較のポイント
4 各サービスのECサイト構築費用の比較
5 【まとめ】ECサイト構築に伴う費用比較の重要性

ECサイト構築に必要な費用の種類と相場

まずは、ECサイト構築に関わる費用を確認していきましょう。「ECサイトの構築費用」と一言で言っても、多種多様な費用が含まれます。以下の費用相場を理解することで、予算設定が容易になります。

システム開発費用
デザイン費用
構築費用
運用費用

それぞれの費用を参考に、自社に最適な構築方法を選択しましょう。

システム開発費用

ECサイトのシステム開発費用とは、ECサイトの構築におけるシステム開発に必要な費用を指します。以下のような作業がECサイトのシステム開発には必要となります。

要件定義：ECサイトの目的、機能、およびユーザーのニーズを明確にし、システム開発の方針を決定します。
設計：システムの全体像を設計し、機能やデータモデルなどを定めます。
開発：システムを実際に開発します。
テスト：システムが正常に動作するかを確認します。
デプロイ：問題なく動作した場合、システムを本番環境にリリースします。
保守：システムを使用していく中で発生するトラブルへの対応など、システムの維持・管理を行います。

これらの作業に関連する費用がシステム開発費用に含まれます。ECサイトの規模や要求される機能、セキュリティレベルにより、システム開発費用は大きく変動します。費用相場としては、5,000,000円〜10,000,000円程度を考慮してください。

デザイン費用

ECサイトのデザイン費用とは、ECサイトの視覚的なデザインに関する部分を制作するために必要な費用を指します。以下のような費用がデザイン費用に含まれます。

ヒアリング：コンセプト、目的、ペルソナなどからデザインの方向性を決定します。
ワイヤーフレーム作成：サイトの構成やレイアウトを決めます。
デザインコンセプトの決定：ECサイトのデザインコンセプトを決定します。
デザイン制作：ECサイトのデザインを制作します。
コーディング：HTMLやCSSなどのコードに変換し、ブラウザ上で表示します。
テスト：完成したデザインが正常に動作するかを確認します。

デザイン費用もECサイトの規模によって変動しますが、一般的な相場は以下の通りです。

ランディングページ：50,000円〜500,000円
トップページ：100,000円〜1,000,000円
商品詳細ページ：50,000円〜500,000円
カートや注文フォーム：50,000円〜300,000円
レスポンシブデザイン（スマートフォン対応）：100,000円〜500,000円

構築費用

構築費用とは、ECサイト構築に直接関わる費用のことです。基本的には、ECサイトの構築方法は、以下の5つから選択できます。

ECモール
ECサイト作成サービス（ASP）
オープンソース
ECパッケージ
フルスクラッチ

ECモールとは、Amazonや楽天などのモールに出店する方法です。集客力はありますが、カスタマイズの自由度は限定的かもしれません。他の4つの構築方法は、ECサイトを自社で開発する形となりますが、それぞれで費用は大きく変動します。

ECモール：初期費用0円～数万円
ECサイト作成サービス（無料）：0円
ECサイト作成サービス（有料）：数千円～数万円/月
オープンソース：初期費用0円（ただし、カスタマイズには技術力と時間が必要です）
ECパッケージ：数百万円～
フルスクラッチ：数千万円～

運用費用

ECサイトの運用費用とは、ECサイトを維持・運営するために必要な費用（ランニングコスト）を指します。以下のような費用が運用費用に含まれます。

ドメイン費用：年間500円〜6,000円
サーバー費用：年間数千円〜数十万円
セキュリティ費用：年間10,000円〜数十万円
決済手数料：売上の3％〜5％
広告費用：月間500,000円〜数百万円
物流費用：月間100,000円〜数十万円

自社でECサイトを構築する場合、ドメイン名の取得とサーバーの設定が必要となります。この費用はプランによりますが、大体年間1,000円〜20,000円程度になるでしょう。

また、オンラインでの商取引においてはセキュリティが非常に重要です。SSL証明書の取得やセキュリティソフトウェアの導入等の費用が発生します。SSL証明書だけであれば年間数万円ですが、ソフトウェアの導入まで考慮すると数十万円になるでしょう。

さらに、ユーザーの利便性を向上させるために、クレジットカードやデジタルウォレット等の決済手段を導入した場合、それぞれの決済手数料が発生します。

そして、ECサイトの認知度を上げるための広告費用や、商品の配送にかかる物流費用も考慮に入れる必要があります。これらの費用は自社のビジネスモデルや規模によって大きく変動することもあります。

以上が主なECサイト構築にかかる費用の種類と相場ですが、それぞれのサービスや自社のニーズにより、詳細な費用は大きく変動することをご理解ください。具体的な費用を把握するためには、各サービスプロバイダーに見積もりを依頼するのが最善です。

それぞれの費用を検討し、自社に最も適した構築方法を選択することが重要です。ビジネスの規模やビジョン、予算などを考慮に入れ、長期的な視点で最適な選択を行ってください。

ECサイト構築における費用比較の重要性

ECサイトの構築に際して、費用の比較分析は非常に重要なプロセスとなります。ECサイトの構築には多岐にわたる費用が発生します。各項目の費用を複数のサービス間で比較検討することで、必要な費用を最適化し、効率的に運営を行うことが可能となります。費用比較を行うことで、コストパフォーマンスに優れたプランを選択することが可能になります。

ECサイト構築にはWebデザインやコーディングを外部に委託する方法もありますが、それらを自社内で対応する選択肢もあります。労力と費用を見極めながら比較を行うことで、最適なプランを選定できます。

さらに、サーバーホスティングの比較も重要な要素です。パフォーマンスや安定性はサーバーホスティングの重要な要素であり、費用に大きく影響を与えます。各サービスの性能、サポート体制、費用等を比較検討し、最適なサーバーホスティングを選択しましょう。次に、セキュリティ対策についても考慮が必要です。ECサイト構築におけるセキュリティ対策は、非常に重要な要素であり、費用が大きく発生することもあります。SSL証明書やセキュリティソフトウェアなど、セキュリティサービスの費用と内容を比較し、最適な対策を選択しましょう。

また、ECサイトには決済手段の導入も不可欠です。ユーザーの利便性や機会損失を防ぐためには、多様な決済手段を提供するのが理想的ですが、手数料が高額なものも存在します。売上が増えると1%未満の手数料でも負担感が増すため、決済代行サービス会社の選択などで最適な決済手段を検討しましょう。

以上のように、ECサイト構築には各種費用の比較検討が非常に重要となります。同じ機能でもサービスにより費用が大きく変動することがあり、安価だからという理由で選択した結果、機能やサポート体制に問題があることもあります。
信頼性、サポート体制、技術力等を総合的に考慮し、自社にとって最適な選択を行ってください。

ECサイト構築の費用比較のポイント

ECサイト構築に関わる費用を比較する際には、多角的な視点で考慮することが重要です。ECサイトの構築には、初期構築費用だけでなく、多くのランニングコストが発生します。トータルコストの比較、サポートやセキュリティ体制の評価等を行うことで、適切なサービスを選択することが可能となります。本節では、ECサイト構築の費用比較において重要な以下の視点を紹介します。

サービス内容
初期費用とランニングコスト
サポート体制
セキュリティ対策
参考事例や口コミの確認

サービス内容

ECサイト構築サービスは多種多様で、自社に最適なサービス内容であるか確認することが必要です。各サービスは、費用や提供内容が大きく異なります。例えば、大手ショッピングモールのAmazonと楽天を比較すると、その違いを実感するでしょう。利便性にも直結するため、サービス内容の比較は重要な視点となります。

初期費用とランニングコスト

ECサイトの構築には初期費用とランニングコストが発生します。初期費用にはドメイン取得、サーバー設置、デザイン作成等が含まれ、ランニングコストにはサーバー維持費、SSL証明書の更新費用などがあります。例えば、サーバー費用は契約先やプランによって異なりますので、自社の規模や要求するサイトのパフォーマンスを考慮することが望ましいです。初期費用を抑えてもランニングコストが高ければ総費用は増えるため、年間トータルでの費用を各サービス間で比較することが重要となります。

サポート体制

ECサイトの運営では、質の高いサポート体制の確認も必要となります。ECサイトの構築・運営は、初めての場合、多くの不明点が出てきます。サービスによっては、24時間対応のサポートやメール・電話による問い合わせ対応が整っていない場合もあります。困ったときに迅速に対応してもらえるサービスを選択することが求められるため、サポート体制には注目してください。

セキュリティ対策

ECサイトのセキュリティは、費用だけではなく、どのような対策を行っているのかの比較も重要です。ECサイトの運営では、ユーザーの個人情報を扱うことが一般的です。万が一、情報漏洩が発生した場合、ユーザーからの信頼を失い、大きな損失となります。サービスを選択する際は、セキュリティ対策が万全のものを選択し、安心してECサイトを運営できるよう心がけましょう。

参考事例や口コミの確認

ECサイト構築・運営のサービスを選択する際は、実際に導入した企業の事例や利用者の口コミを確認することも重要です。公式サイトでは良い面ばかりが強調されるため、公式サイト以外のブログやSNS等を活用して事例や口コミを確認することがおすすめです。自社と似た業種の事例は導入する際の参考になりますし、多くの口コミを読むことで、メリット・デメリットが明確になります。具体的な導入イメージを持つためにも、慎重にサービスを選択しましょう。

各サービスのECサイト構築費用の比較

最後に各サービスのECサイト構築費用を比較してみましょう。

主要なサービス20個を一覧にまとめましたので、表を見れば簡単に比較できます。

サービス名	初期費用	月額費用	特徴
Amazon	無料	大口：月額4,900円（税別）小口：1商品販売ごとに100円（税別）	集客力がある。
楽天市場	60,000円	19,500円～100,000円	店舗ごとにコンサルタントがつく。
Yahoo!ショッピング	無料	無料	外部サイトへのリンクを貼ることもできる。
Shopify	無料	5ドル～2,000ドル	最大5言語に対応しているため、海外からの集客に強い。
futureshop	22,000円～52,000円	22,000円～52,000円	1つの商品につき、40点まで画像登録ができる。
ecforce	148,000円～248,000円	49,800円～99,800円	サイバーエージェントやグノシーなどの有名企業も使っている。
MakeShop	11,000円※MakeShopエンタープライズは110,000円～	12,100円※MakeShopエンタープライズは55,000円～	サポート体制が充実している。
EC-CUBE	0円～70,000円	6,800円～84,800円	カスタマイズ性があり、20種類以上の豊富な決済方法がある。
Welcart	無料	無料	WordPress公式プラグインのため、導入は無料かつ簡単にできる。
ecbeing	スタートアッププラン190,000円～ミドルプラン5,000,000円～エンタープライズプラン：見積り相談	スタートアッププラン50,000円～ミドルプラン200,000円～エンタープライズプラン400,000円～	東日本旅客鉄道株式会社、株式会社吉野家などの大手企業も使っている。
コマース21	要相談	要相談	トイザらス、MIZUNO、コジマなどの企業も使っている。
EC-Orange	要相談	要相談	BtoCとBtoBのどちらにも対応しており、中堅・大手企業に向いている。
w2Commerce	要相談	要相談	オールインワンのOMO/オムニチャネル対応型総合ECプラットフォーム。
BASE	無料	無料	テンプレートが用意されているため、初心者でも使いやすい。
カラーミーショップ	3,300円～22,000円	4,950円～39,600円	デザインのカスタマイズ性が高いことが魅力で、拡張機能が豊富にある。
STORES	無料	無料	アクセス解析や売上管理がシンプルで使いやすく、48種類のデザインテンプレートを選択できる。
Squareオンラインビジネス	無料	0円～9,180円	飲食店に便利なテイクアウトの設定などの機能も備えている。
au PAY マーケット	無料	5,280円	アイリスプラザ、ヤマダ電機、いきなりステーキ、マルイ（0101）などの有名店も参加している。
ebisumart	約3,000,000円	約200,000円	多くの他社アプリケーションとシステム連携をしている。
侍カート	ASPプラン100,000円カスタマイズプラン150,000円フルスクラッチプラン1,000,000円	ASPプラン70,000円カスタマイズプラン120,000円フルスクラッチプラン300,000円	定期購入に必要なメール配信などの受発注業務をネット上で行う。

【まとめ】ECサイト構築に伴う費用比較の重要性

本稿では、ECサイト構築に際しての費用比較の要点について詳細に説明しました。ECサイトの構築における費用比較は、予算を効率的に活用するために欠かせません。自社がどのような予算・目的・規模でECサイトを運営したいのかを明確に設定し、それぞれの費用を複数のサービスで比較しましょう。サイト構築の段階で細部まで比較・検討することで、実際に導入後の運営で誤算を避けることができます。