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データで見るインフルエンサーマーケティングの予算
ブランドのマーケター192人を対象にアンケートを行ったLINQIAの調査では、11%から25%のマーケターが、デジタルマーケティング予算の40%以上をインフルエンサーマーケティングに費やす計画を立てていると述べています。また、約20%は、デジタルマーケティング支出の26-50%をインフルエンサーマーケティングに費やすと述べています。

こちらは海外の調査ですが、日本でも今後よりインフルエンサーマーケティングへの投資は加速するでしょう。
また、mediakix の調査によると、インフルエンサーマーケティングに参入する60%のブランドが、年間100万円以上を投資していることが明らかになっています。

インフルエンサーマーケティングの予算ってどうやって決めるの?

インフルエンサーマーケティングの予算設定は、インフルエンサーマーケティングの目的や最終的な目標によって異なります。
今回は一般的なインフルエンサーマーケティングコストの算出方法を紹介します。但し、インフルエンサーマーケティングの予算決定には様々な要因が関わってきます。
例えば、「依頼するインフルエンサーの規模」「依頼内容」などです。今回は、予算を構成する要因がなにか、を確認した上で、予算配分を考えていきましょう。
では、予算設定方法を各ステップに分けてご紹介します。
STEP1:起用するインフルエンサータイプを決める
インフルエンサーには大きく分けて4つのタイプがおり、それぞれはインフルエンサーの規模感を表しています。「どのタイプのインフルエンサーを起用するか」によって予算も変わってくるので、まずは起用するインフルエンサーの規模感から決めていきましょう。
タイプごとの特徴を示すので、これから行うインフルエンサーマーケティングの目的と照らし合わせてみてください。
①ナノインフルエンサー
フォロワー数:1万人以下
フォロワー数が最も一般人に近いため、そのインフルエンサーを信頼している良質なオーディエンスが期待できます。またエンゲージメント率が高く、高いコストパフォーマンスを期待できます。
費用対効果は期待できますが、影響力は比較的小さいです。
また、インフルエンサーの仲間入りをしたばかりのナノインフルエンサーは、ブランドとのお仕事のやりとりに慣れていない可能性もあるため、丁寧に交渉に臨みましょう。
②マイクロインフルエンサー
フォロワー数:1〜10万人
ナノインフルエンサー同様にフォロワーとの関係が濃く、かつ宣伝をするのに十分な数のフォロワーを有しています。
マイクロインフルエンサーになるとコンテンツが成熟しており、人を惹きつけるコンテンツを作成する能力が高いため、その点で高いコストパフォーマンスを発揮します。
短所としては、フォロワーの中からインフルエンサーが対象としているオーディエンスを見極めることが難しいことです。
③マクロインフルエンサー
フォロワー数:10万〜100万人
このあたりになると、個人ブランドとしてかなり確立されており、影響力もとても大きいです。
コンテンツも良質ですが、代理人(スタッフ等)が運営している可能性が高いです。そのため、フォロワーとのコミュニケーションは少なめで、「フォロワーにとって身近な存在であるか」という点では期待できない可能性があります。
またインフルエンサーに対して支払う費用が前述のタイプに比べて高額になります。
④メガインフルエンサー
フォロワー数:100万人以上
影響力は絶大ですが、その分、費用も高額になります。多くが芸能事務所に所属しているため、直接のコンタクトでは気づいてもらえない可能性があります。
⑤有名人
世界規模の影響力を持ち、ブランドのイメージ強化が可能です。
ブランドや有名人本人の不適切な行いによって受けるリスクは大きくなります。ブランドイメージが確立されるので、ブランドにとってはかなり大きな決断となるでしょう。
このようにインフルエンサーにもタイプがあり、後半に従って影響力が大きくなる特徴があります。
大切なのは規模や費用ではなく、自身のキャンペーンに適したインフルエンサーを起用することです。このことを第一に考えてください。
STEP2:依頼内容を決める
続いては予算を見積もるためにも、PRする商品やサービスに合わせて依頼内容を決めます。内容を決めるにあたってはこれから挙げる事項を確認してください。
・商品/サービスが消耗品か消耗品でないか。
・インフルエンサーにとってその商品が魅力的か。
・商品を使うために何かを習う必要があるか。
・商品やサービスは楽しめる内容で、インフルエンサーが投稿する価値があるか。
・ブランドは商品を無料で提供するか。
・商品を1度提供するか、それとも継続的に送るか。
このように、インフルエンサーに「何を依頼するか」によって、予算が大幅に変わってきます。インフルエンサー自らが進んでPRをしたい依頼内容であれば、無料でも協力してくれる可能性があります。逆に、インフルエンサーにとって投稿ハードルが高いものは報酬が比較的多く必要になります。
STEP3:報酬条件を決める
商品をPRしてもらう場合は、インフルエンサーに商品を提供しましょう。サービスも同様で、サービス体験を提供します。
下記の5つが一般的に設定されるインフルエンサーへの報酬条件です。
- 商品提供のみ
- 商品提供+成果報酬
- 商品提供+固定報酬
- 商品に対する割引(旅行など、特に単価が高いサービスが多い。)
どのような条件だとインフルエンサーがやってくれそうか、インフルエンサーの立場に立って考えましょう。また、その条件を元にインフルエンサーと交渉しましょう。ほとんどのインフルエンサーは依頼費用の相場を公開していません。
商品提供のみでも受けてくれるインフルエンサーはいるので、まずは商品提供のみでPRを行ってくれるインフルエンサーを探し出し、段階的に報酬をつけていくのもおすすめです。
「予算が適切か」キャンペーン効果を計測しながら確認する

顧客獲得コストを測るためには、「インフルエンサーが投稿にかけるコスト」と「各投稿から発生するCV数」の2つを把握する必要があります。
・インフルエンサー経由のCPA:(インフルエンサー1投稿あたりの費用)/(投稿経由のCV数)=(CPA)
このようにインフルエンサーマーケティングが収益に与える影響を分析しましょう。もし目標CPAを上回る場合、予算編成を変更する必要が出てきます。
長期的な影響も考えた予算編成にする

インフルエンサーマーケティングでは、短期的な収益増加に加えて、長期的な影響がもたらされます。
そこで消費者のWEBサイトへのトラフィックや自社アカウントへの流入数がその指標となります。トラフィックの増加により、ブランドに興味を持った人が増えたと言えるからです。
またサイト内での消費者の動向とサイトを訪れた消費者がどの程度商品を購入したか把握することで、キャンペーンの結果を判断することができます。何人が自社のSNSのフォロワーに転換したかも同じく把握しましょう。
時に、インフルエンサーの投稿は目先の売上以上に、”将来の顧客”(見込み客)を沢山連れてきてくれます。顧客の興味を引くコンテンツの準備や、ナーチャリング戦略を用意して、見込み客を顧客に転換していく意識を持たないと、インフルエンサーマーケティングの効果は最大化されません。
このように、長期的な視点をもって、インフルエンサー経由の成果を評価し、報酬と予算を決めることをおすすめします。様々な要因が絡み合うのがインフルエンサーマーケティングです。
適切な予算決定を行い、常に結果を確認することが重要です。
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